庶民の弁護士 伊東良徳のサイト

  私の読書日記  2006年5月

25.26.ジェーン・フォンダ わが半生 上下 ジェーン・フォンダ ソニーマガジンズ
 ジェーン・フォンダといえば、私たちの世代には、女優でベトナム反戦運動とワークアウト(エアロビクス)が記憶に残る左翼ないしはリベラル→エコロジストの印象が強くあります。その自伝というか手記なもんで、興味深く手にしましたが、上下あわせて約850頁。おおよそは年代順に書かれてはいますが、話はよく前後するし、読者にわかりやすく書けているとは言いにくいですね。ずっと摂食障害(過食+嘔吐)に悩まされていたと何度も書いていますが、いつ治ったのか何がきっかけで治ったのかは書かれていませんし。ベトナム反戦運動のことは、それを書いてあるところでは、高射砲に座った写真の件を除けば、言い訳や後悔は書かれていませんけど、59歳で3度目の離婚を前にした箇所では、私はその時々の夫にあわせて相手が求める通りの女になってきたのだ、それが・・・「物議をかもす活動家」・・・(下382頁)なんて総括されていたりして、あ然とします。ベトナム反戦運動の同士であった2人目の夫との結婚生活中に夫の反対を押し切って豊胸手術をしたとかいうエピソード(下272〜273頁)もショッキングでした。そしてジェーン・フォンダについての私の知識は、ワークアウトそして反原発映画の「チャイナシンドローム」まででしたが、2人目の夫と別れた後には、激しく求愛するマッチョな大富豪と結婚して仕事を辞めていたんですね。何億坪もの牧場に人造湖と人造島をつくってそこにカナダツルが巣を作ったと喜ぶ(下339頁)エコロジストって・・・。それに自伝では、自分を正当化し、まわりの人が悪役になる傾向があるのはしかたないけど、67歳の人が36歳の時の結婚の話を書くときに「なぜ過去2度の結婚で、私は心を通わせる親密な関係を築けない男性を選んでしまったのか?それは、そう、私があの両親の娘だから。父も母も互いの感情を理解し合うことのできない人たちだった。」(下324頁)なんて親のせいにするのは、あんまりだと思います。これからはクリスチャンとフェミニストとして人生の第3幕を歩むそうですけど、前途多難そうですね。

24.魔女の薬草箱 西村祐子 山と渓谷社
 魔女が使ったとか魔法の力があると言い伝えられる薬草の紹介。実際にある程度の薬効があるものが多いそうで、「魔女」と医師、民間療法の差はかなりあいまいです。薬草の知識のある地域の老人がある時代は感謝されある時代は迫害されたというわけですね。ハリー・ポッターを始めヨーロッパのファンタジーとか童話を読むときのバックグラウンドの知識を得るのによさそうです。

23.ああいう日本語英語でこういう これがネイティブスピーカーの感性! 牧野高吉 ベスト新書
 日本語の慣用句の英語での言い回しを紹介する本。ヘェ〜ッと思うところもありますが、日本語特有の言い回しを挙げて対応する英語を紹介しているので、英文の方が素直なケースが多いです。発送を逆にして、平凡な日本語が英語では特有の言い回しになる方を書いた方が、読者のお得感が高いんじゃないでしょうか。let the cat out of the bag でうっかり秘密を漏らすとか、 pink slip が解雇通知とか、(弁護士の業界的な言葉ですが)知らなくて、勉強になりましたけど。

22.要説行政訴訟 橋本博之 弘文堂
 2004年の行政事件訴訟法改正(2005年4月施行)分の入った行政事件訴訟法の解説書。コンパクトで、学者さんが書いたものの中では、弁護士には、わりと読みやすい内容です(でも業界外の人にはつらいでしょうけど)。訴訟の審理の部分について、改正法では重要になるとは書かれていますが、やはりそこは中身が薄いですね。訴訟をやってるわけじゃないから書くの難しいでしょうけど。改正で新設された裁判パターンについては、条文の説明中心で、やはり今ひとつイメージしにくかったですね。できたばかりで裁判例が乏しいからしかたないですけど。判決を「下す」という表現が多いのは、ちょっと違和感ありです(判決は、法律上は「言い渡す」ものです。私は、判決について、する、行う、言い渡すのどれかで書くことにしています)。

21.共和国アメリカの誕生 ワシントンと建国の理念 本間長世 NTT出版
 アメリカの独立前史から独立戦争、連合規約、憲法制定、ワシントンの大統領就任と引退までの歴史を、ワシントン、フランクリン、ハミルトン、ジェファーソンら建国の父たちの働きと思想を中心に描いた本。独立戦争後独裁政治に向かわなかったことやアメリカで大統領の権限が強くなったことなどは、ワシントンの人柄(桜と斧のエピソードは伝記作家の創作だそうです)とそれへの信頼のためと位置づけています。ただ、この本では、折に触れ、それに引き替えブッシュは・・・というコメントがあって、かえって格調を下げている感じ。それから、アメリカの先住民を一貫して「インディアン」と書き続けている(時々「先住民の」と付けているけど)のも、今時学者さんが書くものとしては、違和感を持ちました。本論からはずれるけど、合衆国憲法修正第2条を個人が銃を保有することを正当化するものとして読むのは強弁だとか、西部ではむしろ銃規制が厳しくて西部劇は事実に反する(213〜216頁)という指摘は、大変興味深く読みました。

20.ハリー・ポッターと謎のプリンス(Harry Potter and The Half−Blood Prince)下 J.K.ローリング 静山社
 日本語版のタイトル、いかにも Half−Blood Prince が誰かを売りにしていて、ちょっといやな感じです。Half−Blood Prince 自体は重要なテーマだから、原題の方はわかるんですが、あえて「謎の」なんてつけられるとね。原書にはない「謎のプリンス」を日本語版「付録」の「ふくろう通信」では the Mysterious Prince としていますが、「謎」は riddle でもありますし、読者が勝手にやはりヴォルデモート(本名トム・リドル)かなんて勘ぐってくれたらラッキーなんて思惑もあるのかも。原書を読んだときにも書いたとおり、Half−Blood Prince の正体は、さんざん引っ張ったわりにはあっけないですから、それを売りにされるとなると・・・。日本語版では、Half−Blood が突然「半純血」なんてこなれない言葉で訳されていますが、これはひとえに原書594頁の Half a Prince を活かしたかったからなんでしょうね。最後まで読んで、ああそうだったのかと思いました。でも、そのためにずーっと「半純血」なんてぎこちない言葉を書き続ける方がいいのかは、価値観分かれるところですね。

19.ハリー・ポッターと謎のプリンス(Harry Potter and The Half−Blood Prince)上 J.K.ローリング 静山社
 今回は先に原書で読んでいたので、翻訳の方に注意が向いてしまいます。感心するところあり、エッと思うところあり・・・。原書で読んだときから感じていましたが、上巻段階では、ハリー・ポッターファンには大変楽しいです。ただヴォルデモ−トの過去を探ってペンシーブに入るところだけが陰うつと言うかあまり楽しくありません。ヴォルデモートが小者に見えるだけでもありますし。原書で読んだときのコメントはこちら

18.ジーコスタイル 進化する日本代表 中小路徹 朝日新聞社
 朝日新聞のサッカー担当記者から見たジーコ監督就任以後の日本代表の軌跡。取材記者の立場ですから当然にジーコ支持のスタンスです。ワールドカップ前の気分盛り上げに手ごろな本です。アジアカップ中の重慶でも、不穏な雰囲気は競技場とその周辺だけで街中では日本人ウェルカムの雰囲気とか、日本代表の練習場では中国人ファンがサインをねだる光景も見られたとか(115頁)はブラウン管での印象からは意外な情報でした。本の背表紙の著者名の上にまで「朝日新聞記者」と書いているのは著者の事情か社の事情か・・・

17.耐震偽装 安全なマンションに暮らしたい 野辺公一編著 雲母書房
 耐震偽装問題の背景となる設計・建築業界の事情とか、マンション問題の基礎知識はわりと広汎に書かれていて、興味深く読めました。多人数で分担して書いているんで、論理の筋とか、問題を深めていくって方向には向きませんけど。だから、耐震偽装問題自体をよく知りたいと思って読むには不向き。耐震偽装問題そのものについて書いているのは半分以下で、それでこのタイトルはないよねって思いました。

16.絵とき プレス加工 基礎のきそ 吉田弘美 日刊工業新聞社
 金属薄板で様々な部品・製品を作る加工のお話。いろいろなものの作り方がわかって興味深く読めました。

15.もしも、私があなただったら 白石一文 光文社
 49歳のバツイチ男のところへその友人の妻43歳が押しかけてきて迫る恋愛小説。友人は刑事事件で逮捕の設定(逮捕中の病気入院の扱いは、弁護士としてはちょっと引っかかる:153頁の「保釈」は、もしあるとすれば勾留の執行停止だろうとか・・・けど、それは読書コーナーではパス)。著者(1958年生まれ)と同世代男性としては、主人公の考え・感覚はわりとスッと入ってきますが、ストーリーはちょっと都合がよすぎて読むのが気恥ずかしく思いました。お話の舞台が福岡で場所がほぼ特定できるぐらい具体的なことなど、私にはなじみやすい(司法修習生の時実務修習が福岡だったもので)点が多くありました。

14.セレブの現代史 海野弘 文春新書
 セレブは、手の届かない存在ではない、場合によっては自分もなれるかも知れない成り上がり的な有名人なんだそうです。手が届くかも知れないから、まねしたくなったり、気になったりするんですね。そのセレブたちについての世間話的な解説。私にはあんまり関心がないテーマなのか、新書のわりには読むのに時間かかりました。

13.工学/技術者の倫理 島本進 産業図書
 大学での工学/技術者の倫理を講義用にまとめた教科書だそうです。水俣病でのチッソ付属病院の医師、チャレンジャー号爆発事故でのサイオコール社の主任技師、シティ・コープビルの建築設計技師といった具体的例での技術者の葛藤は、大変興味深く読めました。ここらがもう少し詳しいといいんですが。しかし、そういう具体的場面での技術者の話は少なく、割りとありがちな事例紹介と裁判・行政の判断に沿った論評が大部分を占めているように思えます。技術者としてどうすべきだったとか、組織として再発防止のためにどうすべきといった指摘が少ないのは、この本の趣旨からすると疑問に思えます。著者は原子力業界出身ですが、東京電力のひび割れ隠しのケースでは、何が言いたいのかとてもあいまい。原因についても、まるでひび割れを許さない基準の方に問題があったかのよう。あと、いまどきの本にしては誤植が目につきました。

12.東アジアのなかの古代日本史 田村圓澄 吉川弘文館
 日本の古代史を任那産出の鉄入手の利権と対新羅主戦論・友好派の確執という観点から解釈する本。推古天皇−蘇我馬子ら対新羅強硬派の政権の中で、対新羅友好派の厩戸王子(聖徳太子)は孤立し生前は政治的な業績はあまりなかったはず、摂政になったかも疑わしいという主張は斬新ですね(通説に従えば厩戸王子は斑鳩から飛鳥まで毎日通っていたことになるので、そのあたり無理じゃないの?って思ってたんですが、疎外されて斑鳩にこもってたとすると、そこは納得する点もあります)。この頃の政変・暗殺が基本的に対新羅強硬派が対新羅友好派を排除するためとか、中大兄−中臣政権の対新羅強攻策・百済救援策の結果白村江の戦いで半島からの完全撤退に至り、民が疲弊したところに近江遷都でさらに恨みを買ったために天智天皇死後すぐに外されていた大海人皇子が担がれて壬申の乱に勝ったとか。少し強引な感じがしますけど、面白い視点ではあります。ちょっと情報が断片的なのと、話が前後する場面が多くて読みにくいのが残念です。学者さんが書いた本で巻末の参考文献が全て自分の論文というのも、ちょっとね。

11.涙の治癒力 柏瀬宏隆 リヨン社
 泣くことでカタルシスの効果がありストレスが発散されていいというお話。著者は精神科医なんですが、その方面の話があまりなくて、食い足りない感じがしました。感情の高まりから流れる涙と(タマネギなどの)刺激による涙では成分が違う(158頁)っていうのは初めて知りました。

10.ITな人々 文:川畑英毅、絵:野村タケオ バジリコ
 タイトルからの印象では、具体的なセレブの話かと思っていたんですけど、業種別に「ITな人」と「非ITな人」をパターン化したおちゃらけ本でした。むか〜しのマル金・マルビ(金魂巻)をイメージしてしまいました。暇つぶしにはよさそう。

09.記念日・祝日の事典 加藤迪男編 東京堂出版
 各種の記念日の紹介本。読み通すのはちょっとつらいものがありますね。それにしても様々な企業や団体の思惑でずいぶんたくさんの記念日がつくられているんですね。ほとんど知らないけど。商売のためにこじつけた感じの日が多くてちょっとあきれ気味の読後感を持ちました。

08.グーグル Google 既存のビジネスを破壊する 佐々木俊尚 文春新書
 タイトルはグーグル批判なんですが第1章と第6章以外はむしろグーグルを評価しています。第1章の批判は主としてニュースメディアのビジネスモデルを破壊することを批判していますが、著者が元新聞記者だけになんだかなあって感じです。ただ第6章で指摘されている、グーグルが企業のクレームを受けて「悪徳商法マニアックス」のサイトを検索結果で表示しないようにしたとか、中国政府に批判的なキーワード(天安門事件とか法輪功とか)について検索結果をいじったとか、米軍基地やホワイトハウスの航空写真を見られないようにしたとか(212頁〜225頁)は、考えさせられます。

07.谷間の岩窟教会群が彩る カッパドキア 荻野矢慶記 東方出版
 迫害を受けた人々が、凝灰岩・玄武岩の台地をくりぬいて教会や住居、そして地下都市を造って暮らしていたカッパドキア。ファンタジーの世界ではよく出てくる地下都市ですが、カッパドキア最大の地下都市と、今のところ見られているオズコナク地下都市には、5万人もの人が住んでいたとも言われているそうな。昔から世界史ってわりと好きで、大学受験の時も中央アジア史とか好んで読んでたし、神秘と迫害された人々の思いなんて考えると興味津々です。この本には地下都市のことはあまり書かれてなくて、その点はちょっと残念ですけど、岩窟教会の写真がたっぷりで、得した気分でした。

06.レオナルド・ダ・ヴィンチ 芸術と科学 クラウディオ・ペッショ責任編集 イースト・プレス
 レオナルド・ダ・ヴィンチの絵と手稿(素描)を楽しむ本。文章は、その意味であんまり気にしませんでした。外国の学者が多人数で書いた図鑑類の翻訳書にときどきあるんですが、著者の紹介も、執筆の経緯や目的も紹介されていません(でも訳者の紹介だけはある)。そうなると文章の方は信頼性を評価できなくて、まじめに気にしようもないですしね。

05.ナルニア国物語解読 C.S.ルイスが創造した世界 安藤聡 彩流社
 ナルニア国物語を読んで20年の英米児童文学研究者によるナルニア国物語解説。古き良き時代を愛するルイスが、物語の奇跡(超自然現象)を信仰することができる「想像力」を持つ者しか行けない(それでも自分の意思では行けずアスランが呼ばないと行けない)国としてナルニアを構築し、ナルニアでは傲慢と疑いと「現代的」なことが罪で、呼び込まれた子どもたちはその罪を(痛みをもって)回心して初めてナルニアに受け入れられる(英雄と認められる)という立場から全体が解釈されています。
 ナルニア国物語の読み方はそれでいいと思いますけど、奇跡を信じて疑わないことを「想像力」と言われても、違和感を感じます。スーザンの扱いを女性蔑視ないし性差別とするプルマンの指摘に対して、この本では、次のように論じて、誤りだとしています。「ナルニアを『想い出』、『遊び』と決めつけて現在の自分には無関係のものとみなしていることもスーザン自身の自由意志による選択である」(165頁)、スーザンも未来にはナルニアに呼ばれることがあるかも知れない(170頁)、ルイスは中世・ルネサンスを愛しているから現代的な女性を嫌っているのでそれは女性蔑視ではない(178頁〜180頁)・・・。研究者にはルイスの意図や背景が大事なのでしょうし、作品の文学史的評価では書かれた時代が大事でしょう。でも、現在の読者にとっての価値からすると、ルイスの主観も書かれた時代も関係ありません。ナルニア国ものがたりでのスーザンの扱われ方は十分に性差別と感じられますし、読んでいて不愉快です。その他の点も含め、現在、女の子が読んで元気になれるか・女の子が楽しく読めるかという観点からは、今時、ナルニア国ものがたりを薦める理由はないと私は思っています(スーザン扱いや私の意見はこちら)。
 なお、岩波書店の瀬田貞二訳の古さが暗に指摘されていますが、その点は私も同感。当時なりの子どものわかりやすさへの配慮なんでしょうけど、「ライオンと魔女」で重要なポイントになるお菓子「ターキッシュ・ディライト」をプリンと訳して済ませる時代じゃないですよ、今は。登場人物の名前が無理に日本語訳されているのも違和感あるし・・・泥足にがえもんとかごろごろ八郎太とか。岩波もディズニーの映画化に合わせて新装版を出すのなら、そろそろ新訳を出して欲しいですね。まあ、原作が古き良き時代を愛する話だから日本語訳も古風なままがフィットするという意見かも知れませんが。

04.数え方でみがく日本語 飯田朝子 ちくまプリマー新書
 冠詞も複数形もなく、名詞に情報が少ない言語である日本語では、それを補うために数え方が発達したそうです。なんとなく納得。でも、日本語の数え方よりも、英語の a tower of giraffes とか a pride of lions とかの方が感心してしまいましたけど。

03.未払賃金の立替払制度−早わかり−【改訂2版】 労働調査会出版局 労働調査会
 会社が倒産したときの未払賃金を国(現在は労働者健康福祉機構)が立て替える制度の解説本。制度や組織がころころ変わってますので、フォローするのが結構大変。私は仕事上の知識として読みました。仕事上か、生活に必要な人でないと読むのがしんどそうな本です。

02.初歩から学ぶ紫外線殺菌 浦上逸男 工業調査会
 (超)純水をつくったり、飲料工場や上下水道での消毒に利用される紫外線殺菌装置の現状についての説明。ちょっとお勉強のつもりで読んでみました。

01.ナゲキバト(The Mourning Dove) ラリー・バークダル あすなろ書房
 両親を交通事故で失った9歳の少年が、一人暮らしの祖父に引き取られ、祖父から人生のあれこれを教わる話。久しぶりに、シニカルなことを書く気がしない、ジンとくるお話でした。祖父の語りがいいんです。「わしはこんなふうに思うんだよ−神は、あることを人間に思い出させようとして月と星をつくられたんじゃないか、とね。そのあることというのは、まわりがどんなに暗くて寂しいときでも人間はひとりぽっちじゃない、ということなのさ」(38頁)とか。抜き出すと宗教っぽいけど、読み終えて振り返るとしみじみと味わい深いところが結構あります。読み終えたとき、主人公の少年ハニバルにではなく、祖父のこれまでの思いの方に感情移入してうるうるしてしまうのは、やはり私が年をとったせいでしょうか。

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