たぶん週1エッセイ◆
映画「ミッション・インポッシブル ゴースト・プロトコル」
ここがポイント
 展開のテンポのよさ、盛りだくさんのアクションは見ていて飽きないが、全体のストーリーというかつくりは安易
 愛する者を襲った者に対する復讐というドラマが2つ伏線になっているが、ラストにも引っかけてうまくスパイスになっていると評価するか、つくりの古くささをさらに印象づけると評価するか

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 ミッション・インポッシブルシリーズ第4作「ミッション・インポッシブル ゴースト・プロトコル」を見てきました。
 封切り8日目祝日、新宿ミラノ2(683席)午前11時の上映は5割くらいの入り。

 ロシアの刑務所に入獄していたイーサン・ハント(トム・クルーズ)は、CIAの特殊チームIMF(Impossible Mission Force)のメンバーのハッカーベンジー・ダン(サイモン・ペグ)と新メンバージェーン・カーター(ポーラ・パットン)の手によって脱獄し、IMFが追っていた核ミサイル発射コードの機密ファイルを奪った殺し屋モローと取引するコードネーム「コバルト」の正体を知るためにチームメンバーとともにクレムリンに潜入するが、その直後クレムリンが爆破されてその容疑をかけられ、大統領はゴースト・プロトコルを発しIMFはアメリカ政府から隔離されサポートを受けられなくなる。長官は、イーサンに分析官ウィリアム・ブラント(ジェレミー・レナー)と引き合わせ、大統領のゴースト・プロトコルを知らせるとともに、最後のサポートを知らせ逃走して容疑を晴らすように示唆したところで襲撃犯に射殺されてしまう。ブラントとともに逃げ出したイーサンはチームの仲間とともにクレムリン爆破犯を核ミサイル発射をもくろむ人物として特定し、奪われた核ミサイル発射コード、クレムリンから持ち出された起爆装置、ロシアから売りに出された人工衛星の3つのアイテムを追って行くが・・・というお話。

 予告編でも使われているドバイの現在のところ世界一高い超高層ビル「ブルジュ・ハリファ」でのアクションが一番の売りになっています。もっとも、取引に使われる119階と118階は実際にはホテルじゃなくて事務所フロアのようですが(ホテルは低層階だけで、それじゃアクションが使えないからあえて高層階に移したんでしょうけど)。
 トム・クルーズが接着手袋とロープでガラスの壁面をよじ登ったり駆け下りる姿は、実際にこのビルの高層階の壁面でやったようですし、とてもスリリング。高所恐怖症の人には見ていられないくらい。ただ、このパターンはいかにもスパイダーマンで、接着手袋が途中で効かなくなってひらひら落ちていくあたりはパロディにに見えてしまいます。
 そういうあたりも含めて、ストーリー展開のテンポのよさ、盛りだくさんのアクションは見ていて飽きさせませんが、全体のストーリーというかつくりが、ロシアの核ミサイルの発射させて核戦争を起こさせようとする狂信的人物の陰謀とそれを阻止する闘いというもう何度もどこかで見たような安易なもので、それを最新のテクノロジーというか主としてコンピュータ、ハッキング、科学的に見えるガジェットと激しいアクションをちりばめて見せているのを観客がどう見るか。あんまり考えずにおもしろけりゃいいじゃん、で見れればエンタメとしては上出来となるでしょうし、ストーリーや深さを求めるならアクションで目くらましして観客をなめてるんじゃないのと思えるかもしれません。
 それと同時に、愛する者を襲った者に対する復讐というドラマが2つ伏線になっていますが、それもラストにも引っかけてうまくスパイスになっていると評価することも、つくりの古くささをさらに印象づけると評価することもできるでしょう。

 クレムリンの中の映像は本物なんでしょうか。クレムリンの荘厳さというか大仰さとセキュリティのちぐはぐさ、侵入のために使ったスクリーンアイテムの高度さとその限界とかも、スリルとユーモアを感じさせて、見どころかなと感じました。そういう場面場面の巧さというのは、いろいろと感じます。

(2011.12.24記)

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