たぶん週1エッセイ◆
映画「恋とニュースのつくり方」

 低視聴率にあえぐ朝の情報番組立て直しを迫られたワーカホリックチーフプロデューサーの奮闘と恋を描いたキャリアウーマンラブストーリー「恋とニュースのつくり方」を見てきました。
 封切り2週目土曜日、シネリーブル池袋の午前11時からの上映は2割程度の入り。観客の多数派は若い女性とカップルでした。

 ローカルTV局でリストラされ失業中のテレビディレクターベッキー・フラー(レイチェル・マクアダムス)は、必死の就活の末ニューヨークのテレビ局での朝の情報番組のチーフプロデューサーの職を得た。しかし、その番組「デイブレイク」は低視聴率にあえぎ、11年間でチーフプロデューサーが14人目、メインキャスターはエアコンの効いた部屋からは一歩も出ず打ち合わせにも出ずポルノサイトを見ている始末だった。番組の改革を目指すベッキーは、メインキャスターの首を切り、局と対立して報道番組を降りていた伝説の報道キャスターマイク・ポメロイ(ハリソン・フォード)を契約書を楯にむりやりメインキャスターに起用した。ベッキーの手腕に驚いた元マイク担当のプロデューサーアダム(パトリック・ウィルソン)からもデートに誘われ、恋人になって順風満帆に見えたベッキーだったが、プライドの高いマイクは報道以外の担当を拒否し、元ミス・アリゾナのキャスターコリーン(ダイアン・キートン)とも対立し、番組中にも罵り合い、視聴率はさらに低下、ベッキーは上司から6週間以内に視聴率が上がらなければ打ちきりと通告されてしまう。視聴率回復のために次々とおもしろネタを打ち出し、実はミーハーなコリーンは大乗り気で視聴率は回復の兆しを見せるが、低俗化への批判も出てマイクはますます激高し・・・というお話。

 仕事にも恋にも積極的だが、職場では同僚からワーカホリックとあきれられ、デート中にも携帯を離せず恋人にもあきれられるベッキー。そのひたむきさと強い意志、決断力は、とても魅力的で、レイチェル・マクアダムスの多彩な表情もあって、私にはとてもチャーミングに思えるのですが・・・確かに、デート中に何度も携帯で中断され続けると恋人としてはつらいよね。ベッキーの携帯を冷蔵庫に放り込むアダムの気持ちはわかる。
 伝説の報道キャスター相手に、あんたの態度がすべてをぶちこわしにしているとぶち切れて罵り、その際に私もようやく恋人ができてセックスもできるようになったのにとスタッフの面前で言い放つあたり(後ろで聞いてるアダムの方が顔を背けて逃げ腰)も、すごい(私の感覚では、ある種の憧れを感じるとともに、やっぱり少し怖い)。
 ストーリーの軸は、名声はありプライドの高いマイクを、ベッキーが視聴率とスタッフのチームワークのために口説き落とし頑なな態度を溶かしていく過程にあります。これが、マイクとベッキーのラブストーリーなら、まっすぐなキャリアウーマンラブストーリーですが、年齢的にあまりに無理ということもあって、ベッキーの恋のお相手は別に置かれます。で、恋のお相手のアダムは、脇役っぽくコミカルな役回り。そのため、ベッキーの仕事と恋の2方向でのお話になり、キャリアウーマンの生き方とその悩みっていうパターンが前に出ています。
 基本的には、若い女性が(若くなくてもいいけど)、ベッキーの生き様を見て、力づけられたり溜飲を下げたりする映画かなと思います。

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