たぶん週1エッセイ◆
映画「狙った恋の落とし方」

 中国では「レッド・クリフ」を抜いて歴代最高レベルの興行成績を上げたという中年ラブコメ「狙った恋の落とし方」を見てきました。
 北海道以外での封切り4週目土曜日昼、キネカ大森は8割程度の入り。北海道以外では全国でも3館の上映、前日夕刊で広告を打っての結果としては少し寂しいかも。観客層は中高年中心で若者層がちらほらというところ。

 発明品を投資家に売りつけて大金をせしめた40代男チン・フェン(グォ・ヨウ)は、ネットでの婚活に励み、次々と見合いを繰り返すが、ゲイや墓のセールス目的の女、不倫中で酒に溺れる客室乗務員、セックス嫌いの未亡人、既に妊娠中の女、結婚相手も投機扱いするデイトレーダーなど、気に入らない相手が続く。客室乗務員シャオシャオ(スー・チー)には酒を飲みながら辛い過去を打ち明けてそのまま別れたが、杭州に向かう飛行機で偶然に妻とともに搭乗した不倫相手とシャオシャオに鉢合わせし、シャオシャオに連れられて不倫相手への別れ話の材料に使われかけるが、芝居は嫌だと退席してしまう。不倫相手を忘れられないがもう会わないというシャオシャオは、チン・フェンに、心の中では時々彼のことを思っていいという条件での結婚を持ちかけ、承諾したチン・フェンに不倫相手との想い出の地北海道で思いを断ち切りたいと北海道旅行を求めるが・・・というお話。

 現代中国のドライさ加減を出しながら、主人公2人には古風な恋愛観を持たせているので、基本的にはコメディですが(主役が熊の着ぐるみまで着るし)、ラブコメ部分はウェットな感じ。主人公が男は40代、女の方は年齢設定が明らかにされませんが落ち着いた感じですので、しっとり見せたいということでもあると思います。そのあたりのコミカルに展開しつつ最後はしんみりさせるという味わいは上手くできていると思います。その分、コメディ部分が爆笑とも行かず中途半端と評価することもできますが。

 北海道では、やはり最初にオホーツク海沿いの1両編成の電車と古い木造の小さな駅舎を見せたかったのでしょう、釧網線の北浜駅で北海道に住む知人の車に合流します。それはいいんですが、それで車で向かう宿泊先が阿寒湖温泉。それって、新千歳空港で降りても、女満別空港で降りても、反対方向に無駄に北上して折り返すだけ。女満別空港着なら知人は当然に女満別空港に迎えに行くし、札幌から石北線でも北浜まで行かせずに途中駅で迎えるでしょう。
 北海道では、地元民は日本人の役者で日本語でしゃべってます。北海道に住むチン・フェンの昔の友人も日本語でしゃべりますが、別れの悲しみを表現するのに口ずさむ「知床旅情」の歌詞、間違えないで欲しかったなぁ。

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