たぶん週1エッセイ◆
多田謡子反権力人権賞2013

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 今年も多田謡子反権力人権賞の季節がやってきました。
 ここのところ毎年お知らせしていますが、私は、多田謡子反権力人権基金の運営委員、この基金が運営している多田謡子反権力人権賞の選考委員をしています(詳しくはこちら)。 
 今年は10月9日、10月24日、10月31日の3回の運営委員会で、受賞者の選考が終わり、本年度は、ヘリパッドいらない住民の会(沖縄・反基地闘争)、渋谷・野宿者の生存と生活をかちとる自由連合(ホームレスの生存権闘争)、原子力発電に反対する福井県民会議(福井・若狭での反原発闘争)の3者を選出しました。
 今年の受賞発表会は12月14日(土)午後2時から総評会館(お茶の水)201号室で行われました(総評会館は、噂によれば名称が変わったそうですが、志を同じくする人たちにはこの名称でいつまでも通じると思います)。
 原子力発電に反対する福井県民会議からは元美浜町議の松下照幸さんが出席し、原発集中立地県の福井で1976年の県民会議結成からの37年にわたる反対運動の歴史、原発地元で原発反対と主張することがすなわち職を賭しての闘いとなる厳しさが語られ、さらに単に反対をいうのではなくソフトエネルギーへの転換が例えばバイオマスの活用が地域の雇用を生み地元の工務店の需要を拡大することや、地消地産意識を強めていくことなど、地域が原発なしで発展できるようなアイディアを出していくことの重要性が語られました。
 渋谷・野宿者の生存と生活をかちとる自由連合(のじれん)からは黒岩大助さんが出席し、行政の野宿者排除との闘いの歴史が語られ、オリンピックを口実とした排除攻撃との闘いの重要性が語られました。その中で、運動の中で支援者は野宿者当該ではないことでの壁を感じてしまいがちだが、支援する/支援されるという関係を超えてともに問題を考えともに行動していくという姿勢で壁を乗り越えていくことが大切だと話していたのが、私には印象的でした。
 ヘリパッドいらない住民の会からは石原岳さんが出席し、全体でも54世帯160人しかいない集落で、ろくな話し合いもなく工事を強行する行政と闘う厳しさ、さらには基地を押しつけるなと本土にいう沖縄県民でさえ高江のヘリパッドには北部訓練場の返還とセットのために基地が減ると容認姿勢が強く闘いへの理解が得られない苦しさが語られました。運動論として、「できる人間ができるときにできることをする」という姿勢で、節目の闘いの時に来なかったとしてもあの時なぜ来なかったなどとはいわないことが大切だ、楽しいことで人とつながっていきたい、それだけでいいのかという思いはあるが次の世代に現実に起こっていることを現場で見てもらうためにと考えてやっているという話があり、なるほどという思いを深めました。

 基金は、来年の受賞発表会ができるか危ういレベルになっていますが、受賞発表会の場で来年はやりますと宣言されましたので、少なくとも来年までは続けます。
 福島原発事故の悲惨な経験にさえ学ぼうとせずに原発再稼働・推進に邁進し、特定秘密保護法や労働規制の緩和と称する労働者の権利剥奪、消費税増税と法人税減税・公共事業拡大をセットする庶民からの収奪と大企業優遇などあからさまな人権抑圧と行政・大企業のやりたい放題を志向する安倍政権下で終了することには忸怩たる思いもありますが、2015年以降の存続は厳しい情勢にあります。
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