たぶん週1エッセイ◆
多田謡子反権力人権賞2014
ここがポイント
 今年の受賞者は、川内原発建設反対連絡協議会、こるむ、袴田巌さんです
 多田謡子反権力人権基金は、今回の受賞発表会をもって活動を休止します

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 今年も多田謡子反権力人権賞の受賞発表会を行いました。多田謡子反権力人権基金は1986年12月18日に多田謡子さんが亡くなり、その遺産として残った住宅(生命保険でローン完済)の売却資金で1989年から活動をしてきましたが、資金がなくなり、今年の授賞発表会をもって活動を休止することになりました(基金のサイトはこちら)。 
 今年は10月16日、10月31日の2回の運営委員会で、近年まれに見るほどあっさりと受賞者の選考が終わり、本年度は、川内原発建設反対連絡協議会(川内原発建設・運転反対闘争)、こるむ(在特会による京都朝鮮学校襲撃との闘い)、袴田巌さん(冤罪との闘い)の3者を選出しました。
 今年の受賞発表会は12月20日(土)午後2時から総評会館(お茶の水)201号室で行われました(総評会館は、噂によれば名称が変わったそうですが、志を同じくする人たちにはこの名称でいつまでも通じると思います)。
 川内原発建設反対連絡協議会からは代表の鳥原良子さんが出席し、川内原発建設前の1975年のボーリング・コア差し替え問題で内部告発した労働者が九州電力の圧力で最後には証言を変えたことを始め、九州電力の圧力の下で住民が抑え込まれ苦しい闘いが続いてきたこと、その厳しい条件の下で長く闘ってきたことが語られました。
 こるむ(正式名称は在特会らによる朝鮮学校に対する襲撃事件裁判を支援する会)からはさとう大さんが出席し、在特会による京都朝鮮学校襲撃のビデオを再生しながら、小学生たちに与えた心の傷の大きさ、それを正面から受け止めた京都地裁と大阪高裁の判決の価値が語られました。受賞決定後の12月9日に最高裁第三小法廷が在特会側の上告を棄却する決定をし、裁判としては終了し、こるむも解散となるとのことです。(活動が終わるといわれると、基金としては、選考の価値が…)
 袴田巌さんは、スピーチに立ち、死刑判決が間違っていたと発言しましたが、発言内容からは、袴田さんは、どうも静岡地裁ではなく国連が救ってくれたと思っている様子。姉の秀子さん、アムネスティインターナショナル事務局長の若林さんとお話とあわせ、長年にわたる受刑施設での勾留による拘禁反応の影響が色濃く残り、刑事施設収用・冤罪の惨さを痛感させました。

 受賞発表会後の懇親会では、名残惜しいという話が続きましたし、私自身、原発がなくてもまったく困らないことが実証されているのに原発を再稼働させることに血道を上げ、労働法制を限りなく企業のやりたい放題を野放しにして労働者の権利を奪う方向に変えようとし、消費税増税で法人税引き下げという弱い者いじめを図り、差別と格差拡大を押し進める連中が政権を取る中で、この時期にこの基金が活動を停止することには忸怩たる思いはありますが、資金がないという現実は冷静に受け止めるしかなく、最後のご挨拶をして会合を終えました。
 ここのところ、労働相談ハンドブックの件で疲弊して、このサイトの更新もままならず、この記事も5日遅れとなっているのが象徴的ですが、ご報告まで。
(2014.12.25記)
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