たぶん週1エッセイ◆
映画「プレイヤー」

 今年2月のアカデミー賞総なめの「アーティスト」監督と主演男優コンビの最新作が売りの映画「プレイヤー」を見てきました。
 封切り3週目日曜日、全国5館、東京3館の上映館の1つシネ・リーブル池袋シアター2(130席)午前11時の上映は1〜2割の入り。映画館入口前に長蛇の列があったのでびびりましたが、それは「魔法少女リリカルなのは」「魔法少女まどか☆マギカ」の特典付き前売り券を求めるオタク青年たちで、「プレイヤー」はガラガラ。フランスでは2週連続興収1位だったそうですが、日本人向けではないのかも。

 「アーティスト」のジョージ役だったジャン・デュジャルダンとジル・ルルーシュの2人を中心に5つないし6つの短編と3つないし4つの挿入エピソードからなるオムニバスで、いずれも浮気性の男たち(と女たち)を描いています。
 最初のうち、同じ役者と思えるのに役名が違うしキャラも違うので、あれ別人なのかな、外国人は見分けにくいか・・・なんて思ってしまいます。
 前宣伝からは、浮気男の軽快なおちゃらけ騒ぎが予想されましたが、おもしろうてやがて悲しきどころか最初から虚しさ哀しさ哀れさがにじみ出ていて、浮気の虚しさを説いている映画のように感じられました。一番明るい軽快なタッチの話でさえ、男たちに満足感が感じられません。そのような短編に、したり顔のカウンセラーが開催する浮気男改造セミナーのエピソードまでつけられると、全体が憂鬱になりすぎ。むしろこれだったら、長編で前半は快調にお気楽にバカ騒ぎさせて後半後悔させる展開の方が素直に見ていられて素直に反省できるんじゃないかなと思いました。
 短編集のわかりにくさ食い足りなさと、最初からカタルシスのない展開が、観客動員につながらないんじゃないかなとも思います。それとも私がフランスの文化について行けないのかなぁ。最近の作品でも「ずっとあなたを愛してる」とか「サラの鍵」とかけっこう感動したんだけど。フランスの浮気の文化について行けないだけかも・・・

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