たぶん週1エッセイ◆
ワールドカップ2006 ジーコ・ジャパン
vsオーストラリア ●1−3 :6月12日
 FIFAランキング(オーストラリア42位、日本18位)は、誰も当てにしていないとは思いますけど、ワールドカップでこれまで1試合も勝ったことのないチームにワールドクラスのサッカーを改めて思い知らされるというのは、情けなかったですね。
 日本が本来得意のはずの中盤、パス回しの速さで負けてます。オーストラリアは、ワンタッチか、ツータッチでも落としてすぐにパスしていました。日本の中盤は、華麗なパス回しといわれるけど、少しテンポが遅い。落ち着かせて球を奪われないことを主目的にして、ついでに攻めるつもりならいいんですが、攻めという観点ではもどかしいことが多いです。
 そして攻撃。オーストラリアは、ビドゥカが前に張ってセンター近辺でディフェンダーを背負ったり走り込んで攻撃の起点になるとともにディフェンダーを押し込み、キューウェルがセンターからパスを供給、ブレシャノがサイドから突破と役割をこなしつつ、しかもこの3人がきちんと自分もシュートしていました。日本は、本来なら、柳沢がビドゥカの役割(自分がシュートを決めなくてもポストプレーを評価して欲しいとか言ってましたよね。ならあれくらいのポストプレーを見せて欲しい)、中田か中村がキューウェルの役割、サントスか駒野がブレシャノの役割に当たるわけですが、比較して同等の働きをしていたのは中村くらい。
 日本の1点は、中村のFKでしたが、最初から狙った魅せるシュートではなく、たぶんクロスを上げたもの。これにFWが触れず、高原がオーストラリアのキーパーを押さえ込んで(あの左腕の動きはファウルを取られても文句は言えないと思いますけど:キーパーチャージって反則はもうなくなってたんですね(^^ゞ )キーパーも触れなかったもの。まあ、それまでオーストラリア側の当たりが厳しかったから、実はちょっとスカッとしましたが、あまり美しいとはいえない得点でした。
 でも、この試合でフラストレーションがたまったのは、やっぱり選手交代です。坪井の負傷での茂庭投入は、いいんですけど。柳沢を代えての小野、これなんですか?柳沢がピリッとしないから交代(それはわかる)なら、ここで大黒でしょう。点が入らなくて膠着状態の時にFW1枚減らしてどうするんです。方や、ヒディンク監督は、コリア−ジャパン(ワールドカップ2002)の韓国−イタリア戦を彷彿とさせる攻め、攻め、攻めの交代で攻撃的MF1人とFW2人を投入。行け、行けのメッセージを明確にします。これがきちんと当たって交代した選手でチャンスをつくり得点して3点連取。ヒディンク監督のガッツポーズが3度大写しになる展開となりました(あれ、見せられる側になるとやっぱり悔しいですね)。方やジーコ監督は、2点取られて逆転されたところで、後半46分に茂庭に代えて大黒。3バックを1枚減らして2バックにしてFWを投入です。まるでヒディンク張りの交代でしたが、オーストラリアのFWが増えて、明らかに守りの人数が足りなくなって数的優位を作れずピンチが続いているさなかにバックを減らすのはあんまりじゃないの(大黒の投入はいいんですけど、交代はMFじゃないの)と思っていたら、すぐ守りの人数が足りなくて中央突破されて3点目。ヒディンク監督の選手交代がきれいに当たり、ジーコ監督の選手交代は完全に裏目というのが素人目にもありありでした。

 次は18日のクロアチア戦。私は、組み分けが決まったときに、「確実に日本−ブラジル戦が見られるだけでもラッキーと思いましょう」と周囲に言って顰蹙を買いましたが、ブラジル戦が(日本にとっての)消化試合にならないことを期待しましょう。
vsクロアチア △0−0 :6月18日
 クロアチア相手にスコアレス・ドロー。まあ、いいとすべきでしょう。川口のPKセーブも見られたし。
 今回は、ディフェンスかなり危ない感じでしたけど、集中力は切れなくてよかったですね。ちょっと宮本が、PKとられたり、パスミスしたり、何やってんのかねえという感じでしたけど。
 FWも相変わらず柳沢は何やってんだか。高原も玉田も直接けり込めばいいのにパスしたり、消極的で、中田のミドルシュートばかりが目立ってしまいました(今日は中田のミドルシュート、いいコースでしたよね)。
 今回は、選手交代も、クロアチアはどんどんFW入れて攻撃的に来ましたけど、ジーコ監督は「練習でやってないことを本番でやることはない」のいつも通りの交代。新味も刺激もないけど、落ち着いてはいましたね。

 さて、次は22日(23日未明)のブラジル戦。日本が1次リーグを突破するには最低限ブラジルに2点差以上つけて勝つことが必要になりました。
 正確には・・・
 ☆オーストラリアがクロアチアに勝利:日本は無条件で敗退 (T_T)
 ☆オーストラリアとクロアチアが引き分け
   0−0の場合:日本が3点以上取ってブラジルに2点差以上で勝つことが必要。 (>_<)
   1−1の場合:日本が3点差以上で勝つか4点以上取って2点差で勝つことが必要。\(_ _)
   2−2の場合:日本が3点差以上で勝つか5点以上取って2点差で勝つことが必要。\(_ _)
   3−3の場合:日本が3点差以上で勝つか6点以上取って2点差で勝つことが必要・・・\(_ _)
 ☆クロアチアがオーストラリアに勝利
  1点差
   1−0の場合:日本が2点差以上で勝てばOK(2−0でもOK)。(^^ゞ
   2−1の場合:日本が2点差以上で勝てばOK(2−0でもOK)。(^^ゞ
   3−2の場合:日本が2−0で勝った場合はくじ引き! (◎_◎)
            3点以上取って2点差以上で勝てばOK。 (>_<)
   4−3の場合:日本が3−1で勝った場合はくじ引き! (>_<)
            3点差以上で勝つか4点以上取って2点差で勝てばOK。 \(_ _)
  2点差
   2−0の場合:日本が3点差以上で勝つことが必要。 \(_ _)
   3−1の場合:日本が3点差以上で勝つことが必要。 \(_ _)
   4−2の場合:日本が3−0で勝った場合はくじ引き! \(_ _)
            日本が4点以上取って3点差以上で勝てばOK。 \(_ _)
   5−3の場合:日本が4−1で勝った場合はくじ引き! \(_ _)
            日本が4点差以上で勝つか5点以上取って3点差で勝てばOK。 \(_ _)
  3点差
   3−0の場合:日本が4点差以上で勝つことが必要 \(_ _)
   4−1の場合:日本が4点差以上で勝つことが必要 \(_ _)
   5−2の場合:日本が4−0で勝った場合はくじ引き! \(_ _)
            日本が5点以上取って4点差以上で勝てばOK。 \(_ _)
 あぁ・・・書いててむなしい・・・
 もしも日本がブラジルに勝つことがあるとすれば、1−0しか考えにくいですもんね。今の日本の攻撃でブラジルから2点以上とること自体なかなか想像できないし・・・
 ブラジルは不調のロナウド先発させるようですね。フランス大会の時のザガロ監督のようにロナウドと心中、いや一蓮托生ですか。ロナウド休養で元気な若手(ロビーニョとか)を出されるよりはよさそうですね。いっそのこと出ずっぱりのロナウジーニョとロベルト・カルロスを休養させてもらえるといいんですが・・・
 ジーコ監督も不調の柳沢と心中の方針でしょうか。現状だと、どうしても使うんなら、前半だけ出して最初から飛ばしてブラジルのディフェンダーを疲れさせることに特化してもらうくらいだと思うんですが。
vsブラジル ●1−4 :6月22日(23日早朝)
 やっぱり。
 サントス−玉田の1点。これで満足すべきなのでしょう。日本がブラジルの守備を崩してあんなにきれいな1点を取ったんですから。これで前半は夢を見ることができたのですし・・・
 前半はディフェンスも川口のスーパーセーブで救われていたのですが(川口のスーパーセーブが度々見られたこと自体、ディフェンスが十分には機能していなかったということではありますが)。ブラジルの前半ロスタイムの1点目。中澤がロナウドに付いていなかったためのみすみすの失点。これで、「前がかりのブラジルにカウンターであと1点取れば・・・」という夢のゲームプランが消えました。そして後半はディフェンダーの動きがはっきり落ちていましたね。1戦目、2戦目は現地時間午後3時からのゲームで暑さで体力を消耗したということでしたが、現地時間午後9時スタートのこのゲームでより早く運動量が落ちたのは、疲労の蓄積かも知れませんが、地力の問題でしょう。ブラジルの2点目のミドルシュートは、川口の守備範囲と見えました(手元で変化したかも知れませんが)し、3点目はきれいに崩され、4点目はもうディフェンダーの足が止まってました。前半の最初を除いて中盤でのプレスが効かず自由に回され続けたことも問題ですけど、あれだけ引いて守り続けて(ブラジルにオフサイドがなかったことも日本のディフェンダーがいかに引いていたかの証拠でしょう)どうしてディフェンダーの動きが後半早々から落ちてしまったのか、立て直しの大きな課題でしょうね。
 選手起用も、FWの玉田、巻の先発は、OKでしたけど、交代はまた疑問でした。後半2点目を取られてから小笠原を中田浩二に交代。この交代パターン自体は、中田英寿を前に出してトップ下を中村と2枚にした4−4−2もありだとは思いますが、それなら最初からそうするか、同点にされたところで後半最初からじゃないですか。それにこの交代をすると、その後3トップにする選択を事実上消すことになると思うんです。ブラジルに2点差以上で勝つという目的ならどこかで3トップも視野に入れることになるはずです。それを逆転されて、これから3点取らなきゃならないとなったときにこの交代をするのは、どういうビジョンだったのでしょうか。この段階なら、小笠原をFWに交代で3トップという選択の方がよかったんじゃないでしょうか。さらにその後、ブラジルに3点目を入れられてから巻を下げて高原。高原がすぐ負傷して高原を大黒に交代となりますけど、それ以前に、どうして高原なんですか。1戦目、2戦目で機能しなかったから先発を外したんでしょう。それにブラジルに2点差をつけられて、これから4点取らなきゃならないとなってもFW2枚のままでよかったんでしょうか。
 なんか、不調のロナウドには、2点取っていい練習になったねってゲームでした。
 うーん。いろいろいってもむなしいので、始めに戻って、やはりブラジルを相手なんですから、玉田の1点と前半45分までは夢を見られたことだけで満足した方がいいのでしょう。
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