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私のお薦め本
the Deathly Hallows を原書で読む

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 ローリングは、最終巻のラストは「賢者の石」を書いたときから決めていたと言っています。そうかも知れないとも、そうかなあとも思います。
 「賢者の石」や「秘密の部屋」の路線からすると、このエンディングはふさわしいと言えるでしょう。
 でも、「炎のゴブレット」以降というか、特に「不死鳥の騎士団」以降の暗いシリアスな路線からすれば、ちょっと考えられないエンディングと言えるでしょう。
 「炎のゴブレット」以降暗くし過ぎたものを、取り戻しているということでしょうか。

 話の流れとしても、31章までと32章からの間でちょっと流れが変わっている感じがします。また、34章、35章がちょっとトリッキーな感じで、流れが行ったり来たりしています。このあたり、ひょっとしたら書いていて作者の気持ちが変わったのかなあという気がします。

 ローリングがインタビューで述べている、34章でハリーが覚悟を決めて禁じられた森に入るところが感動的で作者自身泣きながら書いたというのは、読んでいてよくわかります。でも、それだけに34章から35章へと流した後に36章でまたひっくり返されるのは、私にはいじり過ぎて興ざめ。
 ここのところルーナやジニーに喰われていたハーマイオニーが大活躍するのは、オールドファンにはうれしく思いました。ローリングが思い入れを持っているだけに、最終巻でそうなるのは予想された展開とも言えますが。前半はハリーよりもハーマイオニーが主役といってもいいくらいです。それだけにハーマイオニーが拷問されるシーンは読んでいてとても哀しい・・・別にここまでしなくてもよかったのでは?
 お約束のハリーとロンのけんかとロンの復活も、楽しく読めます。さらに、最後の闘いでパーシーが帰ってくるシーンもオールドファンにはうれしく読めました。
 そして、たぶん、前半の泣かせどころは、やっぱりハリーたちを救い出した英雄の死ぬシーンです。これは、とても切ないものがあります。
 そして、最終巻としての読ませどころは、ヴォルデモートよりも、ダンブルドアと「プリンス」の位置づけかも知れません。単純な正義でもなく、単純な悪でもなく、愛と冷徹さ、功名心と嫉妬心が錯綜して、深い味わいがあります。
 前宣伝で煽られている主要人物のうち誰が死ぬかも、それに比べると、ストーリーからは傍流かも知れません。それに、主要人物の死の衝撃という点では、6巻でダンブルドアが殺されたときの方がショックが大きかったと思います。
 誰が死ぬかについては、私は「3人組のうち2人」と考えていたので、ハリーとロンが死んでハーマイオニーが生き残ってエンディングはハーマイオニーの回想かと予想していましたが、大ハズレでした。
 そして、ローリングがかねがね「続編はあり得ない」(外伝とか人物事典の類は書くそうですが)と言っていたのは、私には当然ハリーが死ぬから続編があり得ないということだと納得していたのですが、これだったら、敵を変えて新しいシリーズというのもありそうな展開です。ウルトラマンやペギー・スーみたいに・・・
 私は、出版社の前宣伝の誰が死ぬかなんてことに踊らされずに、ハリーと仲間たちの友情、ダンブルドアと「プリンス」の話を軸に読んだ方がいいと思います。

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