庶民の弁護士 伊東良徳のサイト

    ◆ハリー・ポッターの謎
  ハロウィーンは特別な日?              ジャック・オー・ランタンイラスト 

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 ハリー・ポッターにとってハロウィーンは、楽しいハロウィーンパーティーにうきうきしつつ、毎年事件が起きる特別な日だった。「炎のゴブレット」までは、だが。
 「賢者の石」では249頁〜262頁がハロウィーンの日。パンプキンパイを焼くおいしそうなにおいで目覚め、ものを浮遊させる呪文「ウィンガーディアム レヴィオーサ」を習い、ロンとハーマイオニーがけんかしてハーマイオニーが女子トイレにこもって泣き、侵入してきたトロールをハリーとロンが知らずにその女子トイレに追い込み、トロールを倒し、ハーマイオニーと親友になるあの日だ。
 「秘密の部屋」では195頁〜218頁がハロウィーンの日。ハリーたちはハロウィーンパーティを尻目にほとんど首無しニックの絶命日パーティに出席し、嘆きのマートルと知り合いになり、その後ハリーがバジリスク(本当はバシリスクのはずなんだけど。映画ではそう発音してますよね)の声を聞き追ううちにミセス・ノリスが石にされた現場にたどり着き、ハリーが疑われたあの日だ。
 「アズカバンの囚人」では198頁〜216頁がハロウィーンの日。ハリー以外の3年生はホグズミードに出かけ、腐ったハリーはルーピン先生と話し、夜はハロウィーンパーティを楽しむが、寮に帰るとシリウス・ブラックが侵入して太ったレディに斬りかかり太ったレディが逃走したあの日だ。
 「炎のゴブレット」では上400頁〜444頁がハロウィーンの日。3校対抗試合の選手を選ぶ炎のゴブレットのまわりで名札を入れようとする生徒たちをながめ、ハロウィーンパーティの後、3人しか選ばれないはずの代表選手に名札も入れていないハリーが4人目の代表選手に選ばれて大混乱になり、嫉妬したロンがハリーとけんかして口も聞かなくなるあの日だ。
 しかし、「不死鳥の騎士団」ではアンブリッジの独裁の下、楽しいことは起こらないということを反映して、「10月は風の唸りと土砂降りの雨の中に消え、11月がやってきた。」(不死鳥の騎士団上632頁)の1行にハロウィーンはかき消されている。
 「謎のプリンス」 では、楽しく話が進んでいるのに、ハロウィーンパーティはない。10月半ばにホグズミード行きがあり(謎のプリンス上358頁、UK版223頁)、その後は日付は出てこないまま話が進み、クリスマスが近づいてきた(謎のプリンス上460頁、UK版284頁)となってしまう。ハロウィーンという文字は出てこない。
 「死の秘宝」でも、9月1日(死の秘宝上324頁、UK版184頁)の後は日付が出てこないまま、クリスマスツリーの灯りが見えるようになり(死の秘宝上461頁、UK版258頁)、クリスマス・イヴとなって(死の秘宝上472頁、UK版265頁)、ハロウィーンという文字はやはり出てこない。
 さて、ここまで引っ張ったあげくに今回の私の疑問だが、ハリポタファンにはいうまでもないことだが、ハロウィーンの日=10月31日はハリー・ポッターの両親がヴォルデモートに殺された日である。ハリー・ポッターにとって両親の死はトラウマになっていて、ことある毎に両親の死が思い出される。ところが両親の命日である10月31日には、ハリーは一度として両親の死を思い出さないのである。あえてハロウィーンの日の朝から夜までのページ数をあげつらったが、この中にひとことも両親の死はおろか両親の名前すら出てこないのだ。特に「秘密の部屋」では10月31日をほとんど首無しニックの絶命日とし、その絶命日パーティまでやっているというのに、ハリーは今日は自分の両親の絶命日でもあることに思い至らないのである。
 トラウマが強すぎると無意識のうちに思い出さないように自己規制するのだろうか?

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