庶民の弁護士 伊東良徳のサイト

   ◆債務整理の話

 業者の取立が止まるわけ

ここがポイント
 弁護士等が受任通知を発した後の正当な理由のない取立は法律で禁止されている
 ヤミ金融の場合は、本人が毅然とした態度を取っていればいずれあきらめることが多い
 友人等の素人の場合は法律上取立禁止の規定がない

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  まともな業者は直ちに取立をやめる

 まず、弁護士は事件を受任した段階で債権者に対して通知書を出します。業界では「受任通知(じゅにんつうち)」とか「介入通知(かいにゅうつうち)」と呼ばれています。
 この通知書を受け取った後に正当な理由がなく本人に対して取立を行うことが、貸金業法で禁止されていますので、まともな貸金業者は取立をやめます。ただし、信販会社や銀行などで内部の連絡の不行き届きで督促部門に伝わらずに文書がくることはありますし、クレジットカードの場合、利用時から請求時までの時間差がありますので、通常の請求書自体はしばらくくることになります。これらの文書は単純に無視しておけば足ります。
 貸金業法は本人への直接的な接触を禁止しているだけですから、裁判を起こしたり、既に公正証書等の書類(借りるときに印鑑証明書を持っていった業者は作っている可能性があります)がある業者が給料の差押え等の強制執行手続をすることは理屈としては止められません。ただし、任意整理の場合、弁護士が付いてすぐにそれを無視して裁判を起こしたり強制執行することは違法として損害賠償を認めた判決がありますので、まともな業者なら、今時はやってこないと思います。また、破産の場合、裁判は破産手続開始決定があると中断し、強制執行も中止されます。

  ヤミ金も、多くの場合は、取立をやめる

 いわゆるヤミ金融業者は、個人ですので(個人であっても貸金業者である限り貸金業法は適用されるのですが)、その考え方によっては弁護士から通知が行っても無視して督促を続ける場合があります。現実には大半の業者が弁護士からの通知でおとなしくなりますが、たまに跳ね返りの業者もおり、予測はできません。
 その場合でも、ヤミ金融業者は、商売でやっているわけですから、割に合わないことはやりません。少し脅かせば払ってくれると踏めば、しつこく追いかけ回しますが、何を言われても「弁護士に頼んだから弁護士に言ってくれ」としか言わなければ、しばらくすればばかばかしくなってあきらめるのが通常です。弱気な対応をするのが最悪だということをよく認識してください。なお、この場合、借りたときに連絡先を書かされた親族等にも電話が行く可能性が高いですので、親族にも「関係ない」と言って電話を叩ききるようによく根回しをしてください(親族が一部払ってしまったりすると、さらに追いかけ回されるだけです)。

  知人は自分で説得する覚悟をしてください

 知人等の個人債権者はそういったルールがわかっていませんし、正確に言えば貸金業者でない個人には貸金業法は適用されませんので、感情的になって連絡してくる場合があります。弁護士からの通知で完全にすべての債権者が黙るとは限りませんので注意してください。
 勤務先(元勤務先も)の同僚や知人、事業上の取引先等の個人債権者(貸金業者が「知人だ」と称しているような場合は別です)でしつこく取立の連絡をしてくる者がいます。これについては先に述べたように貸金業法は適用されませんので法的には止めようがありません。弁護士の方で任意整理の見通しや破産手続の説明をすることはできますが、弁護士としては、うそは言えませんので、聞かれれば個人債権者には貸金業法の適用はない、つまり取立の規制はないことも答えざるを得ません。個別に「任意整理をするのでしばらく待っていて欲しい」とか「破産手続をするので支払えない」ということを繰り返し説得するしかありません。非常に執念深いタイプの人もいますが、そういうタイプの人から借りたのは自分ですからそういう人については自己責任で説得してください。

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