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法律相談とメモ
 最近、法律相談に来られる際に、相談内容についてメモを作ってくる方が増えています。相談する側にとっても頭の整理になりますし、弁護士にとっても適切なメモがあると相談をしやすくなります。
 弁護士にとってありがたいのは、長い期間にわたっていろいろなできごとがあった場合に、起こったできごとを起こった順番に(時系列に沿って)箇条書きにしてきてくれることです。「話せば長いこと」について、相談者の方が、ことの始まりから順番に話して行かれると、大事なことに行き着く前に時間がなくなるなんてこともあります。通常、法律相談センターでは30分程度の相談時間を予定しています(自治体の無料相談だともっと短い間隔で予定が入っていることもあります)。弁護士事務所での相談も、弁護士は多くの場合30分程度を想定しますし、予定を長めにとってある場合も、あまり長くなると集中力がだんだん鈍ってきます(相談者も弁護士も)。最初に起こったことの流れを箇条書きで把握できると、一番重要そうなできごとに重点を置いて話してもらいやすくなります。
 このときに、弁護士にとってありがたいのは、それが1枚かせいぜい2枚程度で箇条書きになっていることです。メモが何枚もにわたっていたり、長い文章でずっと続けて書いてあると、そのメモを読むこと自体に結構時間がかかります。相談者の方がじっと見ている中で黙って長い時間メモを読むというのも現実にはつらいものです。箇条書きだとさっと目を通してすぐに相談に入れるので助かります。それぞれのことがらについて、時期を書いて、ことがらについては1つについて1行か2行程度で簡単にまとめているのが、弁護士にとってはベストです。
 逆に、十数枚にもわたって(場合によったら何十枚)綿々とつづったものを持ってこられたら、まずその場では読めません。それでも読んでくれと言われると全く読まないわけにもいかないので読み始めますが、結局は読んでいる時間の多くがムダだったということになりがちです。
 位置関係が問題になるケース、例えば交通事故とか土地の境界や道路をめぐる紛争とかご近所との紛争とかでは、位置関係を示す図を書いてきてもらえると、たいへん助かります。位置関係を言葉で聞いていると、弁護士は現場を見ていませんのでイメージしにくかったり、(現場を知らない)弁護士と(現場をよく知っている)相談者のイメージが違ったりしがちです。1つの図を見ながら相談できると、イメージがしやすいし、お互いにイメージが一致します。
 土地紛争の場合、公図や測量図を持ってきていただけると助かりますが、それに加えて図を書いてきていただけると、それに書き込んだりもできますし、通常はその方がわかりやすいので相談しやすくなります。
 ついでにいうと、メモじゃないですが、現場の状況や何かが壊れたり欠陥があるというようなことが問題になる相談の場合、現場の写真を撮ってきてもらえるとありがたいですね。これも言葉で説明されたのを聞いて持つイメージと現場を見るイメージが一致しないことがありがちですので。
 相談者の方が「聞きたいこと」をまとめてこられることも多くあります。これも相談者の方が問題について整理することになっていいと思います。ただ、現実の相談の場面では、「電話+面談が一番いいと考えるわけ」でも書いたように、相談の前に相談者の方が聞きたいと思っていたことと実際に問題になるポイントが違ってくることが相当あります。相談をしているうちに「聞きたいこと」としてまとめてきたことの多くが、相談者にとってあまり重要でないこととわかることが少なくありません。「聞きたいこと」の方はあまり細かく書き出されなくても大まかでいいと思いますし、私の感覚では、相談者の方がどういう解決をしたいのかの方を自分の中でイメージしてきてもらうことの方が大事だと思います。

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