◆たぶん週1エッセイ◆
映画「ももいろそらを」
財布を拾った女子高生と落とし主の天下り官僚の息子らが織りなす青春群像劇「ももいろそらを」を見てきました。
封切り2週目日曜日、全国唯一の上映館、オープン1か月の新宿シネマカリテスクリーン2(78席)午前11時の上映は4割くらいの入り。
河原で30万円の入った財布を拾った女子高生川島いづみ(池田愛)は、財布に入っていた学生証から落とし主の自宅を訪ねるが表札の名前を見て天下り官僚の息子の財布とわかり、届けるのをやめる。釣り堀でボーッとしていたいづみは隣にいた印刷屋の親父(桃月庵白酒)が不景気で困った、機材を引き上げられたら仕事ができないとぼやくのを聞いてその財布を渡す。全部渡されても困る20万円だけ借りる、必ず返すからと財布を戻されたいづみは、中学時代からの友人薫(藤原令子)と蓮実(小篠恵奈)にカフェでの支払をきっかけに財布を拾ったことを知られてしまい、学生証から持ち主がイケメン高校生と知った蓮実に引っ張られて財布を返しに行く。持ち主の高校生佐藤光輝(高山翼)は謝礼として3万円を渡すが、後日、いづみを訪ね15万円足りないといいだし・・・というお話。
誰とでもため口というか、大人に対してもむしろ命令口調・けんか口調でがんがん行くいづみの気っぷのよさというか、ずぶとさ、りりしさに支えられた作品かなと思います。新聞を隅々まで読んで採点する、ボウリング場と釣り堀に通う今ふうでない(おじさん波長の)女子高生が、奔放に育ったある種今どきの女子高生らしいしゃべりを見せる展開に、おじさんがギャップ萌えするというようなキャラかなという気がしました。私には好みですが、普通のおじさんにはきつすぎるキャラに思えますけど。
ももいろそらをのタイトルは、最終段階でその意味が登場しますが、それを想像で補ってもらうためにモノクロにしたのでしょうか。でもごく普通にはそのラストがうまく撮れないからモノクロにしたんじゃないかと思われてしまうだろうラストでした。それに続くエンドロールが、エンド「ロール」とも呼べない体裁であまりにあっさりしていたのも、ビックリというかむしろ爽やかというか・・・
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