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たぶん週1エッセイ◆
映画「旭山動物園物語」
ここがポイント
 動物園の存続をめぐる紆余曲折がストーリーの中心で、園長のリーダーシップと役所との交渉の描写が多い
 サブタイトルの「ペンギンが空をとぶ」は、ちょっと期待はずれ
 どうしてこう動物愛護団体だけは徹底して敵視しバカにしたがるのだろう

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 廃園間際から試行錯誤の上入場者数日本一となった旭山動物園のサクセスストーリー「旭山動物園物語」を見てきました。
 封切りから8週目土曜日午前中でしたが、5割くらい入っていました。

 動物園物ですから、動物の飼育係の試行錯誤や動物への愛情と動物の反応が当然重要なポイントになっていますが、この映画では、動物園の存続をめぐる紆余曲折がストーリーの中心となっているため、園長のリーダーシップと役所との交渉にかなりのウェイトが置かれています。そのあたりが普通の動物映画とかなり違う感じがします。
 映画でも、親子連れの客が指摘しているように、かつては動物園というと昼間は寝ていて動かない動物を遠くから眺めるだけということが多くて、動物が珍しかった昔ならともかく、動物物の映像を見慣れた客には物足りません。それを、夜の動物園とかオランウータンの綱渡りとかペンギンの散歩とか、動き回る動物たちを見せていこうという工夫で客を集めていくというお話です。
 サブタイトルの「ペンギンが空をとぶ」は、話の流れからしても、ウォータースライダーでスキーのジャンプ台みたいな物を作って本当に飛ばせるのかなと思ったのですが、そこはちょっと期待はずれでした。確かに映像としては、空を飛んでいるふうに見えますし、飛ばせてみせる、飛ばせますという大仰な前振りなくぽんと見せられて「ほら、ペンギンが空を飛んでいるよ」とか言われたらもっと素直に感動できたかなという感じがしますが。

 西田敏行の園長やベテラン俳優陣の飼育係で、落ちついた作りになっていますが、冒頭の動物愛護団体がいかにも戯画的揶揄的に描かれそのあたりの描写が浮いていました。動物愛護団体のデモで動物園反対派として園長を糾弾した急先鋒の学生が、動物園のツァーに参加するや飼育係に志願するという、いかにも無知で無節操な扱い。「ハッピーフライト」でもそうでしたが、どうしてこう動物愛護団体だけは徹底して敵視しバカにしたがるのでしょう。
 ハラハラドキドキの展開はありませんし、実話にこだわってストーリーの流れが悪くなっている感じはしますが、ヒューマンドラマと動物たちのほんわかした映像が見られて、ちょっとお得感があるかなというところです。

(2009.3.28記)

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