◆たぶん週1エッセイ◆
映画「名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)」
展開のテンポはいいが、謎解きの最終段階は疑問
「から紅の恋歌」が平次・和葉コンビでヒットしたのに味を占めたと思うが…平次の最後の叫びが哀しい
名探偵コナンシリーズ劇場版第27作「名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)」を見てきました。
公開3日目日曜日、新宿ピカデリーシアター1(580席)午前10時40分の上映は9割くらいの入り。
昨年、名探偵コナンの本命筋黒ずくめの組織を前面に出した「黒鉄の魚影」でシリーズ最高興収(初の100億円超)を挙げた後に服部平次・和葉コンビの作品にしたのは、2016年に黒ずくめの組織を前面に出した「純黒の悪夢(ナイトメア)」がシリーズ最高の興収を挙げた翌年、黒ずくめの組織が出てこない服部平次・和葉のカップルの行方に焦点を当てた「から紅の恋歌(ラブレター)」があっさり前年を上回る興収を挙げたことに味を占めての2匹目のドジョウ狙いの作品と思われますが、果たして…
※公開前日という絶妙のタイミングで、日本橋高島屋の「大黄金展」で展示中の時価1040万円の純金茶碗が盗まれるという事件があり、これは怪盗キッドの仕業に違いない、映画のプロモーションかと疑いましたが、関係なかったようですね (-_-;)
函館の富豪斧江財閥の下に、斧江家が収集した土方歳三にまつわる日本刀を盗み出すという怪盗キッドの予告状が届き、警戒態勢の下、「キッドキラー」として呼ばれたコナン、剣道大会に出場するために函館にいた服部平次らはキッドの変装を見破るが取り逃がしてしまう。キッドを追って函館をさまよっていた平次の傍で斧江の顧問弁護士が殺害され、謎は深まる。戦時中に敗色濃厚だった日本軍が戦況を一変させ得る強力な兵器の隠し場所が6振りの日本刀を揃えることで解けるというのだが…というお話。
展開のテンポのよさ、振り回し加減はよくできていると思いますが、肝心の謎解きが最終段階で失速する(えっ、それだけだったらもう写真で十分じゃん。再現実験する意味ある?)感があります。
服部平次・和葉コンビの恋の行方のストーリーでは、前回は初登場でもあり存在感や絡み具合に注目できた大岡紅葉がムダに動いている感が強く、執事の伊織もわけわからない。そして平次の最後の叫びが、コナンらしい。
エンドロールのあとに、怪盗キッドの正体を示唆するとともに続編の展開を予告するカットがあります。ここでコナンの両親が登場するのですが、母が若作りすぎで、カミさんは何度説明しても父の娘(つまりはコナンの姉か妹)にしか見えんと納得できない風情でした。高校生の親なんだからアラフォー世代でしょうし、私には今どき、アラフォー世代に限らず女性の容姿からの年齢判別なんてそもそも無理に思えているのですが。
(2024.4.14記)
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