◆たぶん週1エッセイ◆
映画「名探偵コナン 11人目のストライカー」
アニメ名探偵コナン劇場版第16作、公開第1週末に、シリーズ最高動員の第13作を上回るペースで、同一週末公開のユニバーサル映画が100周年の威信を賭けたハリウッド大作「バトルシップ」をダブルスコアで沈めるぶっちぎり1位の興行成績を上げた(前振りが長いって・・・)「名探偵コナン 11人目のストライカー」を見てきました。
封切り2週目日曜日、キネカ大森シアター1(134席)午前10時45分の上映は5割くらいの入り。観客層は、当然、お子様連れ中心。
恋人の毛利蘭とのデート中に黒ずくめの組織の犯行の一部を目撃して毒薬を飲まされた高校生探偵工藤新一は、目が覚めると体が縮み小学生の体になっていたため、「江戸川コナン」を名乗って毛利蘭の下で蘭の父毛利小五郎の影武者として密かに事件を解決し、蘭にはときおり電話で元気だが忙しくて会えないと伝えていた。(ここまではアニメの前提となる設定)
毛利小五郎に爆破予告の電話がかかってきた。犯人は爆破を防ぎたければ暗号を解けという。いつも通り毛利小五郎の的外れな謎解きに連れられていく警察はあたりを捜索しても爆弾を発見できない。犯行予告時間が迫り、蘭は新一に電話し、留守番電話に事情を話し、慌てて電話に出た新一(コナン)に暗号を伝える。博士や灰原らとともにサッカー観戦中だったコナンは暗号を解いて爆弾がそのスタジアムに仕掛けられていることを知り、観客を避難させて無事死傷者の発生は食い止めた。その後、毛利小五郎の元へさらなる犯行予告の手紙が舞い込んだ。コナンは爆破を防ぐことができるのか、そして犯人とその目的は・・・というお話。
Jリーグの実在のサッカー選手5人が登場し、いずれも本人がその声を担当しているというのが売りの1つなんですが、う〜ん、すごい棒読み。
遠藤(保仁)の前髪、微妙にたれてるんですが、これが首をかしげても動かない。アニメキャラだと不思議に思わないんですが、実在の人物で似顔絵っぽく書かれるとそういう不自然さを感じてしまいます。
実在の選手を登場させると、どうしてもその人をいい人に描かなければならなくなってわざとらしさが漂う。台詞の棒読みとあわせて、ちょっとなんだかなぁと思います。
そういうところに引っかかりを感じつつも、サッカー少年の夢と情熱、選手との交流と希望の承継が描かれていて、やはり見ていて素直に感動します。そういうあたりが巧い作品なのだと思います。
タイトルの「11人目のストライカー」は、それを説明すると落ちまでばらしてしまうことになりますので、見てのお楽しみということで。
ただ、犯人像とか、犯行の動機は、どうもやっぱりしょぼいなぁという印象です。組織悪とか社会の歪みとか、ましてや権力の腐敗とか、そういうものが描かれる作品じゃないですからね。それは作者の信条か、放映テレビ局の体質か・・・
サッカー選手たちの場面に時間を使った分、レギュラー陣の活躍は少なく、蘭の登場が少なくて最後の「白」しか印象に残らなかったり・・・
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