◆たぶん週1エッセイ◆
映画「コネクテッド」
設定も展開もかなり荒唐無稽だが、割り切って見る限りは、アクションの迫力とテンポのよさで十分に楽しめる
史上初のハリウッド映画の香港リメイクが謳い文句のサスペンスアクション映画「コネクテッド」を見てきました。
封切り2週目日曜日、全国でもまだ3館しか上映してないという環境で6割くらいの入り。
冷酷な誘拐犯グループに突然誘拐され、弟がたまたま手にした物を返せと要求されたロボット設計者のシングルマザーグレイス(バービー・スー)が、監禁された部屋で破壊された電話を修理してたまたまアクセスできた電話を受けた高利貸しの手下アボン(ルイス・クー)に助けを求め、電話で受けた情報を元にアボンがグレイスを助けようと奔走するというお話。
設定も展開もかなり荒唐無稽で突っ込みだしたらきりがありませんが、エンタメはそういうものと割り切って見る限りは、アクションの迫力とテンポのよさで引き込まれ、十分に楽しめます。
最初は、いつも息子との約束を守れずに息子を失望させているアボンが息子と約束した空港への道を走る途中に、全く無関係なグレイスからのSOSを受け、その立場からすると全く迷惑な限りと思えます。アボンは、グレイスの求めに応じてグレイスの娘をさらった誘拐犯の車を追う過程で数々の交通違反・犯罪を犯して警察に追われるハメになるし、そのカーチェイスシーンはド派手で迫力がありますが、同時に(アクション映画でよく思うことでもありますが)主人公2人の命を救うためとはいえ一体どれだけの人を犠牲にするのかとも考えてしまいます。
しかし、誘拐犯グループの極悪非道さ、テンポの良い展開に、次第にそういうことが気にならなくなり、アボンが弟が隠した物を追うあたりからは引き込まれて見入ってしまいました。
この作品では、主人公2人の背後で、交通警官に降格されたファイ刑事(ニック・チョン)が、重要な役割を果たします。最初は電話をいたずらだと思って相手にしなかったものの、気になって裏取りをしにグレイスの自宅行き、一旦は犯人グループに騙されますが、恋人とデート中にふと違和感を感じて再度グレイスの自宅に潜入するところから犯人グループへの追及が始まっていきます。警察内部での確執も含めた人間ドラマも並行し、なかなかいい味を出しています。
シングルマザーとシングルファーザーの出会いってパターン、最近多いような気がしますけど、そういうことを含め、カーアクション、ガンアクション、十分に憎める典型的な悪役(私は基本的に人の命を軽く扱うアクション映画はあまり好きではないんですが、こういう権力をかさに着た悪役は死んでもらってスッキリします\(^^; あ、いや、こういう悪人は裁判で事実をはっきり暴露してもらった方がいいんですが)、終盤でのどんでん返し、シングルマザーと娘・シングルファーザーと息子の親子愛、警察内部での人間関係ドラマと、楽しめる要素がいっぱいです。
あくまでもエンタメと割り切ればですが、全国で3館しかやってないのはもったいない気がします。
(2008.9.10記)
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