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たぶん週1エッセイ◆
映画「D−WARS」
ここがポイント
 制作側はストーリーなんてどうでもよくて、ただロサンジェルスで大蛇と怪物軍団が大暴れするシーンを撮りたかった、それさえできれば後はどうでもいいって感じ
 怪物軍団は、どう見てもSTAR−WARSのパクリ以外の何ものでもない

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 STAR−WARSの戦闘シーンを韓国とロスを舞台に再現した怪獣映画「D−WARS」を見てきました。
 テアトルタイムズスクエアの大画面で封切り2週目日曜日に見ましたが予想通りガラガラでした。

 内容は、最初の1行(↑)で言い尽くしてしまった感があります。
 韓国の古い伝説で、修行を積んだ大蛇イムギがそのご褒美として500年に一度肩に龍の痣がある娘が20歳になったとき生まれる娘を生け贄に龍になれるのだが、悪い大蛇ブラキがそれを横取りしようしとして争い、娘を守る勇者も絡んで500年前は勇者と娘が崖から飛び降り心中してしまって龍になり損ねたという話があり、500年後の今、何故かロサンジェルスで肩に龍の痣がある女性サラ(アマンダ・ブルックス)が20歳になって伝説の娘が生まれることになり、テレビ局の記者イーサン(ジェイソン・ベア)が子どものころ古道具屋の店主ジャック(ロバート・フォスター)からその伝説を知らされて自分が勇者だと言われてその印を受け継いでおり、サラを追って暴れる大蛇と怪物軍団からサラとともに逃げ回るというお話。
 映画の中では、この伝説部分は古道具屋のオヤジが説明してくれますが、現代に入ってからはほとんど説明がなく、サラを追っている大蛇がイムギなのかブラキなのかさえ見ていてよくわかりませんでした。
 公式HPも、ソニー・ピクチャーズの公式HPはたいていそうですが、内容を説明しようという意欲が感じられず、全文読んでも上に書いた程度のことさえ書いていません。
 何故ロサンジェルスなのか、娘の方は500年に一度ということだからまあいいとして何故勇者も同じように現れるのか、何故それがイーサンなのか、古道具屋のオヤジは500年前の勇者の師匠だと言うけど500年間どうしてたのか、顔も違う(500年前より若い)けどとか、FBIが何の根拠もなく「韓国の伝説だから」で動いてサラを殺そうとするか、FBIの部下は何故いきなりボスを裏切るのか・・・ストーリーをまじめに追ったら節目になる重要なことが何一つ説明されません。
 イーサンとサラの愛がとかいうのも売りにしようとしているようですが、ほとんど話をする間もなく大蛇が追いかけてきて、語りが全然深まりません。
 ふつうに見る限りは、制作側はストーリーなんてどうでもよくて、ただロサンジェルスで大蛇と怪物軍団が大暴れするシーンを撮りたかった、それさえできれば後はどうでもいいって感じです。観客側にとっての見どころも、そこしかありません。もっとも、サラの精神分析のシーンとかに時間を使っているところを見ると、制作側にはストーリーを描く気が全くないというわけではないのかも知れませんが、そんなところに時間を使うならもっとまじめに説明や会話を入れればいいのにと思います。単純に構成・演出がへたなんでしょうか。

 韓国とロサンジェルスでの戦闘シーンは、さすがに迫力がありました。テアトルタイムズスクエアの大画面で見ましたから、それで何割か増しになってるとも思いますが、確かにすごい。
 怪物軍団は、どう見てもSTAR−WARSのパクリ以外の何ものでもありません。ドロイド軍団が韓国風の鎧やバトルスーツを人間が着ているというだけ。指揮官が黒い覆面してるとこまでそのままやらなくてもいいと思うんですが。

 D−WARSは、DRAGON−WARSの略だそうです。原作のタイトルはD−WARのようです。エンドロールの最後の飾り文字はD−WARになっています。Sをつけたのはどういう意図でしょうか。

(2008.12.7記)

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