庶民の弁護士 伊東良徳のサイト

たぶん週1エッセイ◆
映画「ダレン・シャン」
ここがポイント
 人間と共存しようとする一派と本能のままに血を吸って人間を殺す一派でヴァンパイア界が対立するというパターンには、食傷気味
 ストーリーのメインの部分よりも、「シルク・ド・フリーク」の奇人たちの怪しげな姿の方が楽しめる

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 半分人間、半分ヴァンパイアとなった青年のアドベンチャーファンタジー映画「ダレン・シャン」の吹き替え版を見てきました。
 封切り2週目土曜日、というか春休みの土曜日の昼なのに1〜2割の入り。青少年向けファンタジーの映画化で吹き替え版で春休みでこれって・・・。子どもたちは「ドラえもん」(興行成績3週連続1位(*_*)に行ってしまったのか、それとも映画なんて見ないのか・・・

 両親の言うことを聞いて勉学に励んできた優等生の16歳ダレン・シャン(クルス・マッソグリア)は、素行のよくない親友のスティーブ(ジョシュ・ハッチャーソン)に誘われて、奇人たちの見せ物小屋「シルク・ド・フリーク」に足を運んだ。ヴァンパイアオタクのスティーブはショーに出演したラーテン・クレプスリー(ジョン・C・ライリー)がヴァンパイアだと見抜き楽屋を尋ねて自分をヴァンパイアにして欲しいと頼むが、クレプスリーから血の味が邪悪だと断られる。その時蜘蛛オタクのダレンはクレプスリーが操る毒蜘蛛マダム・オクタを持ち逃げし、学校でそれを見つけたスティーブはケージをいじっているうちに毒蜘蛛を逃がしてしまい、毒蜘蛛に噛まれて倒れた。ダレンがクレプスリーを尋ねて解毒剤を求めるとクレプスリーはダレンがハーフ・ヴァンパイアとなって自分の助手となるなら解毒剤をやろうと申し出、ダレンは承諾して血を交換してハーフ・ヴァンパイアとなり、スティーブの命を救った。血に飢えて妹を襲いかけたダレンは、クレプスリーの指示に従って、死んだことにして家族の元を離れて生きる決意をするが、ヴァンパイア界で人を殺さずに少量の血をすすって生きるクレプスリーらと人の血を吸い尽くして殺すヴァンパニーズの対立に巻き込まれ、ヴァンパニーズの襲撃を受け、危うく逃げてシルク・ド・フリークの合宿地で生活することになる。ヴァンパイアとヴァンパニーズの戦いを見ることを好んで対立を煽る不思議な能力を持つ謎の人物ミスター・タイニー(マイケル・サーヴェリス)はダレンを手に入れそこねるとスティーブに近づきスティーブをバンパニーズへと誘惑する。こうして対立することになった元親友のダレンとスティーブの運命は・・・というお話。

 ダレンが親友というスティーブですが、ヴァンパニーズになる前から僻みっぽいし意地悪い。女の子にモテモテで仲間もいい奴ばかりって最初に紹介されているダレンが、どうしてこういう人物を「親友」というのか、そこが不思議。
 ヴァンパニーズが、シルク・ド・フリークを集団で襲い、ダレンと仲良くなったモンキーガールのレベッカ(ジェシカ・カールソン)をさらって行きながら、ダレンとクレプスリーをおびき寄せた劇場での対決ではスティーブとその教育係の1人しか出て来ないのも不思議。まぁ、不思議でうさんくさいミスター・タイニーがお楽しみを長引かせるために加減して舞台を整えたと読めばいいのかもしれませんが。

 ヴァンパイアと人間の交流をテーマにするとそうならざるを得ないかなとは思いますが、ヴァンパイア界が人間と共存しようとする一派と本能のままに血を吸って人間を殺す一派で対立するというパターンが、昨今雨後の竹の子のように登場するヴァンパイアもので度々出てくるのは、ちょっと食傷気味。従来はひ弱なイメージだったヴァンパイアが、怪力で高速移動ができるという設定も、トワイライト、ダレン・シャンと続けて見せられると・・・

 ストーリーのメインの部分よりも、「シルク・ド・フリーク」の奇人たちの怪しげな姿の方が楽しめるかなという感じがしました。未来を予言できるマダム・トラスカ(サルマ・ハエック)の色香と髭もじゃのアンバランスとか、興奮すると(うれしくなると?)尻尾が立つレベッカとか、怪しげだけど憎めないリトル・ピープルとか・・・

(2010.3.27記)

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