◆たぶん週1エッセイ◆
映画「イーグル・アイ」
圧倒的な情報量と監視能力、あらゆるコンピュータのコントロール力を持つ正体不明の存在からの指示を受け翻弄される男女の恐怖と運命を描いた社会派サスペンスアクション映画「イーグル・アイ」を見てきました。
封切り3週目祝日朝一番で3〜4割くらいの入り。スピルバーグの威光も落ちてきたのでしょうか。
コピー店の従業員ジェリー・ショー(シャイア・ラブーフ)は、空軍勤めの双子の兄イーサンが事故死した直後、謎の電話の主から次々と警告を受ける中、陰謀に巻き込まれてFBIに逮捕され、謎の電話の指示で脱走させられます。ワシントンD.C.での吹奏楽隊に1人息子のサムを送り出したばかりのシングル・マザーレイチェル・ホロマン(ミシェル・モナハン)も謎の電話で指示に従わないとサムを殺すと脅されて指示に従い車を運転し、そこへ電話の指示により乗り込んできたジェリーとともに激しいカーチェイスの末FBIを振り切り、次々と与えられる指示に、抵抗を試みつつも従わされていきます。謎の電話の主の正体は、その目的は・・・というサスペンスです。
数々の監視カメラ(衛星等も含む)や各種のショッピング等の記録、携帯電話・電子メールの傍受等によって集積されたコンピュータデータによって、人の過去の行動とパーソナリティを把握し、現在の行動を監視することが相当な程度可能となってきている現代の状況=監視社会への警告が第1のテーマです。
そして、万能のコンピュータ「アリア」とその暴走を描くことで、超高性能コンピュータへの依存のリスクを警告することがもう1つのテーマとなっています。ただ、同時に、アリアの警告を無視した反人道的な政治判断が絡むことで、単純なコンピュータへの依存のリスクではなく、コンピュータと政治家の関係のあり方も考えさせられ、より深い問題提起になっています。
さらに技術的には、生体認証によるアクセス制限についても、ちょっと考えさせられました。アクセス権限者が死んだら誰も命令を解除できないんじゃ困りますし(実際のコンピュータでそういう設定にはしないはずだと思いますが・・・)、双子だからというだけで生体認証が通るなんてもっと困ります。
アクションシーンのテンポのよさと意外な展開で、緊張感を持って見続けられますが、いくつか最後まで説明されても無理だろうと思うシーンも残ります。電車の中でジェリーが隣に座った客の携帯電話を鳴らすのは、いくらすべてを監視していても・・・。何の訓練も受けてこなかったジェリーやレイチェルが、かなり高いところから飛び降りても無傷だし、ジェリーに至っては、撃たれて倒れたのに無傷で現れるって・・・
タイマーのリミットで緊迫させられるブリーフケースの中身も肩すかしだったし。
本筋に関係ありませんが、ジェリーとレイチェルが乗り込む観光バスが、Masako観光とかいうバスで、日本語でバスガイドが案内してます。今でもアメリカでは観光バスツァーというと日本人グループがイメージされるんでしょうか。まぁ2人がそこで違和感なく迎えられてるのが救いですが・・・
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