◆たぶん週1エッセイ◆
映画「ワイルド・スピード SKY MISSION」
崖際で落下していく輸送車に閉じ込められたブライアンのシーンとアブダビの高層ビルから車で窓を突き破って逃走するドミニクらのシーンが一番スリリング
ドミニクの、恋人/妻レティ、妹の夫ブライアンへの親愛の情と苦渋を含んだ視線に心を揺さぶられる
ワイルド・スピードシリーズ第7弾「ワイルド・スピード SKY MISSION」を見てきました。
封切り3日目日曜日、開業3日目のTOHOシネマズ新宿スクリーン9(499席)午前10時10分の上映は8割くらいの入り。
2週間早く公開されたアメリカでは、公開初週末(2015年4月3日〜5日)4月公開作品で歴代最高、全米歴代で9位の1億4362万ドルのオープニング興収をあげ、その後4週連続1位で、世界興収は公開1か月(31日)で14億2900万ドルに達し「アナと雪の女王」も「ハリー・ポッターと死の秘宝Part2」も抜いて歴代4位という大ヒットスタート。しかし、日本では、公開初週末(2015年4月18日、19日)「ドラゴンボールZ 復活の『F』」、「名探偵コナン 業火の向日葵」に頭を抑えられて3位スタートで、2週目は4位、3週目は6位と平凡な成績にとどまっています。
前作でホブス(ドウェイン・ジョンソン)らアメリカ政府捜査官チームとドミニク(ビン・ディーゼル)らと戦って重体となったオーウェン・ショウ(ルーク・エバンズ)の仇を討つべく、元イギリス軍特殊部隊の凄腕暗殺者である兄デッカード・ショウ(ジェイソン・ステイサム)は、ホブスのオフィスに侵入してホブスのコンピュータからドミニクら協力者のデータを持ち出し、東京でハン(サン・カン)を暗殺し、ドミニクに時限爆弾を送りつけた。東京に行きハンの遺品を持ち帰ってアメリカで葬儀を行っている時にデッカードを見つけたドミニクは追跡し、追いついて車を衝突させたところで降りてきたデッカードから銃を突きつけられるが、アメリカ政府の秘密組織の特殊部隊に救われる。その組織の長(カート・ラッセル)は、民間軍事組織が拉致した天才ハッカーラムジー(ナタリー・エマニュエル)を救出してくれれば、ラムジーが開発した監視プログラム「ゴッド・アイ」を自由に使わせる、それでデッカードの居場所はすぐにわかると、協力を持ちかける。ローマン(タイリース・ギブソン)が提案したアゼルバイジャン山中の奪回作戦場所に出撃すべく、ドミニクらは米軍の輸送機に乗り込むが…というお話。
前作で飛行機で逃げようとするショウ(オーウェン・ショウ)を追った流れに、今回は「 SKY MISSION 」のタイトルも付けられ、やたらと高所からの落下・飛び出しのシーンがあり、アクションとしてはそれが見せ場となっています。
アゼルバイジャン山中に急行するための米軍輸送機からの降下、アゼルバイジャン山中の崖際でのアクション、崖からの転落、ゴッド・アイのチップを追いかけてアブダビに転進しての高層ビル内でのカー・アクションとビルからの飛び出し、ロスでの武装ヘリとドローン(無人機)からのミサイル・機銃攻撃、高層駐車場からの飛び出しと続きますが、崖際で落下していく輸送車に閉じ込められたブライアン(ポール・ウォーカー)が危うく脱出するシーンと、アブダビの高層ビルから車で窓を突き破って逃走したドミニクらが隣接する高層ビルに飛び込むシーンが、一番スリリングに思えました。
カー・アクション好きの観客の嗜好を狙ってでしょうけれど、水着の女性のヒップを狙ったカメラ目線の粘っこさを感じるシーンが多いのも印象的です。
仲間=家族の絆の大切さを度々説くドミニクの、恋人/妻レティ(ミシェル・ロドリゲス)、妹の夫ブライアンへの親愛の情と苦渋を含んだ視線に心を揺さぶられました。
前々作で死亡したとみられ、前作では記憶を失って敵として現れたレティが、仲間として行動しついには記憶を取り戻す展開はドミニクにはハッピーなはずですが、妹が子どもとの平和な日々を望みさらに第2子の妊娠も判明する中でブライアンが危険を冒すことへの複雑な思い、ストーリーとは別に撮影途中に事故死したブライアン役のポール・ウォーカーへの追悼の思いもあり、ドミニクの表情にはけだるさ・重さが感じられます。
撮影中のポール・ウォーカーの死に伴い、一部の場面ではブライアンの顔がCG合成されているそうですが、私には全然わかりませんでした(そこに注目して見てたわけでもありませんが)。
ラスト前のシーンからして、またしてもデッカードが相手の続編が予定されているようですが、今回の作品で準主役となっているブライアンを健在のままにしたら、続編ではブライアンはどうなったということにするのでしょう。
(2015.4.19記、2015.4.21、2015.5.3、2015.5.7更新)
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