庶民の弁護士 伊東良徳のサイト

たぶん週1エッセイ◆
映画「ごくせん THE MOVIE」

 仲間由紀恵の熱血教師ドラマの映画化「ごくせん THE MOVIE」を見てきました。
 封切り2週目土曜日夜は、郊外のせいか、ガラガラ。封切り1週目週末の観客動員1位は幻か、私が行った映画館の立地の問題か・・・

 幼くして両親を亡くし大江戸一家組長に育てられ、高校教師となったヤンクミこと山口久美子(仲間由紀恵)が、いかにもむか〜しの青春学園ものふうの言動で不良生徒たちから醒めた目で見られていたが、生徒が巻き込まれる事件が起こり、それに自らの危険を顧みず単身丸腰で乗り込んで戦い(喧嘩で勝ち)生徒たちの信頼を勝ち取っていくというパターンのお話。映画では、クラスメイトがカツアゲされているのを見て助けた高杉怜太(玉森裕太)が暴走族に狙われ囲まれるのを助け、かつての教え子風間廉(三浦春馬)が儲かるバイトと言われて知らずに覚せい剤密売組織の運び屋をして警察に追われるのを黒幕を暴いて助けるという話に、かつての教え子小田切竜(亀梨和也)がヤンクミの元に教育実習生としてやって来る話を絡ませています。

 最初のエピソード(ハイジャック)から、現実感ゼロのただのギャグマンガという宣言をしているようなもので、荒唐無稽ぶりは、指摘する気にもなれないレベルです。
 そしてヤンクミの言動自体が、青春学園ドラマのパロディとしか思えない、外したもので、しらけきっている生徒の表情と、例えば「夕陽に向かって走るぞ、私に付いてこい」と言って走り出すヤンクミの後ろから「っていうか、夕陽じゃないし」(真っ昼間)という小田切の台詞で念のために「ギャグだよ」って説明しています。
 こういう「存在自体ギャグ」のヤンクミが、生徒の危機に自らを危険にさらして戦う姿と結びつけられることで、こんな先生実際にはいるはずないけどいたらいいなというテーマを表現しています。
 その意味で、ストーリーの荒唐無稽ぶりも計算のうちなんでしょうけど、私には、ちょっと見ていて恥ずかしい。
 私が子どもの頃の青春学園ものと比べても、ここまでしないと教師は尊敬を勝ち取れないのかと、今時の教師の置かれている立場に、改めて同情申し上げます。(私が子どもの頃の青春学園ものって、村野武範とか中村雅俊だもの。中村雅俊が会社の重役で定年って映画作る時代ですからね・・・)

 校長(生瀬勝久)が最後のシーンで赤いワイシャツ(襟は白いけど)着ているのは、やっぱり「坊ちゃん」なんでしょうか。

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