◆たぶん週1エッセイ◆
映画「ゴールド−金塊の行方−」
マシュー・マコノヒーの、山師の執念と、その山師らしい浮き沈みに伴う喜怒哀楽の演技が、一番の見どころ
途中に挟まれるFBIの尋問シーンは、ない方がよかったと思う
金鉱を探し求める鉱山会社経営者の執念と栄枯盛衰を描いた映画「ゴールド−金塊の行方−」を見てきました。
封切り4日目日曜日、TOHOシネマズシャンテスクリーン2(201席)午後2時の上映は9割くらいの入り。
父から引き継いだ鉱山会社「ワショー社」の経営が悪化し投資銀行からも融資を断られ続け、自宅も失って恋人のケイ(ブライス・ダラス・ハワード)の家に転がり込み浴びるように酒を飲み続けていた経営者ケニー・ウェルス(マシュー・マコノヒー)は、夢で見た情景に賭けてインドネシアに飛びかつて銅山を発見したが今は事業者から相手にされていない地質学者マイケル・アコスタ(エドガー・ラミレス)と組んで、残されたわずかな私産をつぎ込んで金鉱の試掘を始めた。マイケルが睨んだ住民が以前から砂金をとっている川の上流の山地から金が発見されるが試掘を続けるに従いその品質が落ち、雇った鉱夫たちも去りケニーはマラリヤに罹患して生死の境をさまよう。ようやくマラリヤから回復したケニーにマイケルはサンプルの分析結果を示し、良質の金鉱が発見されたことを知らせた。金鉱発見の報はたちまち広まり、ワショー社の株価は高騰し、投資銀行は掌を返したように支援を申し出てきたが・・・というお話。
マシュー・マコノヒーの、泥臭く品のない山師の執念と、その山師らしい浮き沈みに伴う喜怒哀楽の演技が、一番の見どころだと思います。
ケニーは、浴びるように酒を飲み続けるだらしない人物ですが、儲かったときにも、会社の事務所を復活させたり、自宅の土地を買いはしますが、成金的な行動に走らず、金銭よりも探鉱者の誇り・プライドを重視し、苦しい時代をともにしたケイを捨てることなく、金鉱を見つけてから言い寄ってきた美女にデレデレはしますが少なくともケイが出て行くまでは浮気もせず、という姿勢は憎めず、人物として好感が持てます。
実話に基づくサスペンス仕立てなのですが、サスペンスとしての作りはどうでしょうか。途中でケニーがFBIに尋問されている場面が挟まれていて、途中でそういうほのめかしをしないとサスペンスと感じてもらいにくいということなのかもしれませんが、この尋問のやりとりで、ほぼ筋立てが見えてしまいます。そういうパターンの作りだったら、最初に尋問シーンから入って過去の回想に進むというパターンが多いと思います。それを避けるのなら、むしろ終盤まで尋問シーンを入れない方がよかったんじゃないかと、私は思いました。
実話に基づく物語とされ、公式サイトにも「驚愕の実話」とうたわれていますが、予告編の最後に強調されている「驚愕のラスト10秒」も実話なんでしょうか。そこ、一番興味がありますが。
(2017.6.5記)
**_****_**