庶民の弁護士 伊東良徳のサイト

たぶん週1エッセイ◆
映画「花より男子ファイナル」

 大財閥の御曹司の超ジコチュウ男道明寺司(松本潤)と庶民の娘牧野つくし(井上真央)の婚約と結婚を描いたラブコメ映画「花より男子ファイナル」を見てきました。
 人気漫画、人気ドラマの続編としての映画化だそうですが、私は原作の漫画も読んだことありませんし、ドラマも見たことありません。映画も行くつもりはなかったんですが、娘に引っ張られて行ってきました。封切り2日目の日曜日で、混んでるのが嫌いな私は、あえて雨、夜、郊外(山手線内は外しました)を選んで行きましたところ、空いてました。さすが人気ドラマの映画化とあって、思ったより観客の年齢層はばらけてました。幼稚園児くらいの子どもも見てましたし。

 婚約発表した司とつくしが、結納の日に、それまで2人の結婚に反対してきた司の母(加賀まりこ)から道明寺家に代々伝わるという秘宝のティアラ「ヴィーナスの微笑み」を渡されるが、その夜に「ヴィーナスの微笑み」が謎の男に盗まれ、これを取り返さないと結婚できないと2人が「ヴィーナスの微笑み」を追って、ラスヴェガス、香港などを駆けめぐるというお話。
 ストーリーは、まぁ、「ありえないっつーの!」が合言葉みたいな作品ですから、もちろん、むちゃくちゃ。最初の方から、ティアラを盗んだ謎の男と司の追いかけっこが、いかにも嘘くさい。まぁどうして謎の男がわざわざああいう態度をとったかは後で、そういうことねと理解できるようになってはいるんですが。この映画の主要な観客層は若い女性でしょうから、気にならないかも知れませんが、若手男性アイドルに興味のないおじさんには、司(松本潤)の力んだちんぴら風の台詞とぎこちない表情が浮いてる感じで、どうも映画に入っていけません。浮き気味に走る司を、つくしがややもったりと落ちつかせてバランスをとっているというところでしょうか。最後の方で明かされる謎の男の正体と事件のからくりも、一応布石は打ってあって説明はできるんですが、でもまぁ、いいけどね、好きにやっててよって感じがします。そしてそれを知ったときの司の対応が、一番、嘘だろうって思います。

 おじさんだから若い女優に甘いんだと自分で思いますが、つくし(井上真央)の表情と、それを素材にしたカメラワークで見せている映像という感じがします。映画全体の中では、南海の孤島のシーンが一番よかったですね。2人で砂浜にいるシーン、真ん中あたりとラストとありますが、映像的にも、台詞も、ここはいいできだったと思います。この映画で感動させるとしたらこの2カ所くらいじゃないでしょうか。
 無人島シーンでも、クマはやめて欲しかったし、1ヵ月以上無人島にいてもつくしの髪がさらさらだとかいうのもちょっとひっかかりましたけどね。
 映像としては、ラスト直前の結婚式、これは当然思い切り盛り上げるはずなんですが、どうも冗長に感じました。誓いのキスが映像的に今ひとつなのが、やっぱり盛り上がり切れない原因でしょうか。

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