庶民の弁護士 伊東良徳のサイト

たぶん週1エッセイ◆
映画「31年目の夫婦げんか」
 代わり映えのない日常を変えたいと思った妻が申し込んだ滞在型カウンセリングに振り回される夫婦の回春ラブコメ「31年目の夫婦げんか」を見てきました。
 封切り3日目日曜日、全国15館、東京で3館の上映館の1つTOHOシネマズシャンテスクリーン1(224席)午前10時20分の上映は8〜9割の入り。観客の多数派は中高年層。

 税理士のアーノルド(トミー・リー・ジョーンズ)とブティック勤めのケイ(メリル・ストリープ)は、結婚31周年を迎え、子どもたちも独立し、2人暮らしで代わり映えのない日々を送っていた。アーノルドが腰を痛めたのを機に寝室もともにしなくなり、5年近くセックスレスで、アーノルドの趣味はゴルフ番組だった。ある夜、意を決して「今日はしたい」とアーノルドの寝室を訪れたケイは、「今日は気分が悪い」と断られ、夫との関係を変えたいと思い、結婚カウンセリングの本を買い込み、その著者のカウンセラーバーナード・フェルド(スティーヴ・カレル)の滞在型カウンセリング1週間4000ドル也を申し込む。勝手に申し込んだことに腹を立てたアーノルドもケイに押し切られて渋々参加したが、夫婦の秘め事への質問や度々出される「課題」にアーノルドは反発し…というお話。

 スキンシップやときめきを求める妻と、22歳じゃないんだからそんなことやってられない、浮気もしていないし文句を言われることもないという夫のすれ違い。アーノルドの場合、妻がいやになっているわけでもなく別の女がいるというのでもないんだから、セックスレスだとしても、時々いちゃついてスキンシップを図ればいいのにと、私は思うんですが、「照れ」なんでしょうか。こういうケース、日本の中高年夫婦の方がよく見られるんじゃないかと思います。
 アーノルドの場合がどうかは今ひとつわかりませんが、年をとればだんだん体がいうことを聞かなくなってくるわけで、きちんとできなくなっていくでしょうし、いつかはできなくなるのですから、いちゃつき自体の楽しみ(ときめいたりほっこりしたり)を共有しておくことはけっこう大切な感じがします。

 男の生理と心理もけっこう繊細(センシティブ)なところがあって、さまざまな要素で萎えちゃうことはあるわけで、ケイが決定的に切れるシーン、そう悪意に決めつけるのはどうかと思いました。そもそも使わなければ機能は衰えるものですから、5年近くセックスレスで来て、しかも年も年だし(役柄上の年齢ははっきりしませんが、トミー・リー・ジョーンズの実年齢で見ると66歳)、スムーズにできると期待する方が間違ってると、私は思うのですが。
 他方、アーノルドがセラピーで妻とやりたかったけどできなかったことを聞かれて、3Pを言い出し、隣のキャロルと3人でやってみたかったと答えたとき、私はそこでケイがぶち切れるかと思ったのですが、そこは意外にあっさりスルーされました。現実に浮気したという話ではないからかもしれませんが、そっちには意外に寛大。

 64歳のメリル・ストリープ、黒縁細身のメガネで口角を上げる表情が、なんというか、かわいい(*^_^*)

 アーノルドがカウンセラーを評して、円満な夫婦に問題を起こさせて儲けている、「弁護士より悪質だ」って。やっぱりアメリカでは弁護士は嫌われているというべきか、セラピストよりはましと評価されたのをよしとすべきか…(-_-;)

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