◆たぶん週1エッセイ◆
映画「言えない秘密」
前半は甘い甘いラブストーリー、後半はオカルト
ピアノ演奏とグイ・ルンメイの笑顔が見られれば十分と思って見た方がいい
台湾のポップスタージェイ・チョウ主演・監督の青春恋愛映画「言えない秘密」を見てきました。8月23日封切りで6週目土曜日、東京では新宿武蔵野館単館上映・一番小さなスクリーンで27・28日は入場者全員にフィルムしおりプレゼント付きではありますが、8割くらいの入りでした。
フィルムしおりって、予告編のフィルムの裁断なんですね。私はシャオユーがシャンルンに「あなたが好き」って言ってるシーンが当たりました。本編では同じシーンの字幕が「私はあなたが好き」でしたから・・・
音楽学校の転入生シャンルン(ジェイ・チョウ)が、古い演奏室でピアノを演奏するミステリアスな女学生シャオユー(グイ・ルンメイ)とたちまちのうちに恋に落ち、学校にたまにしか現れないシャオユーを心配し、喘息によいと父から聞いて林檎を毎日1個持って登校するがなかなか会えずに林檎が15個もたまり、そのことからせっかく久しぶりに会えたシャオユーと口げんかになり、仲直りしようとして待ち合わせた演奏室にシャンルンに思いを寄せるチンイー(アリス・ツォン)が先に演奏室に現れてシャンルンにキスしたところをシャオユーが見てシャオユーがそのまま学校から姿を消し、2人の運命は・・・というようにストーリーが展開します。
前半は、甘い甘いひたすら甘いラブストーリーです。互いに一目惚れに近い形で恋に落ちてしまうのは、もう少し序盤を作れよと言いたくなりますが(まぁ後からそれが宿命という説明がなされますけど)、それは映画だからねで納得はできます。
おじさんの目からは、何と言ってもグイ・ルンメイです。少しはにかんだ笑顔の愛らしさ、キュート!チャーミング!それだけで多少のことは、いやかなりの部分まで許してしまえます。(今にして、百恵ちゃんに熱狂したおじさんたちの気持ちが少しわかるような・・・)
基本的にこの映画は、映像部分ではセピア色というか黄褐色の柔らかめの光に満ちた映像と爽やかな光の映像の切り替え、音楽部分ではピアノ演奏のすばらしさが売りだと思います。その美しい雰囲気が、前半ではグイ・ルンメイの笑顔と、甘いラブシーンとマッチしてとてもいい気持ちで見ることができます。とりわけ2人の連弾演奏のシーンは見ている側まで幸福感いっぱいになれます。もちろん、気恥ずかしくなる人もいるでしょうし、すねる人もいるでしょうけど。
ところが、後半、シャオユーの失踪あたりから話は暗転し、そして終盤は、どう言えばいいでしょう。SFというか、オカルトというか。私の感じではオカルトですが・・・。公式サイトにも「この秘密は決して明かさないでください」と書かれていますから、何のことかは書きませんけど。
シャンルンの父親が、音楽学校の教師で、それも20年前から勤務しているのに、シャンルンが最終学年から転入してくるのは何故でしょう。ピアノバトルの相手(ピアノ王子)は先輩と紹介されていたのにシャンルンが1年とたたずに卒業する(だから最終学年と判断しました)のは?
秘密を明かさないと、見てない人には何のことかわかりませんが、それにしても・・・。シャオユーは家の鍵が替えられていて入れないと言っていたのに、母親がシャオユーは今寝ているとか今音楽を聴いているとか言うのは何故? シャオユーの姿が見えないはずのチンイーがピアノバトルの場面でシャオユーと会話してるのは何故?
終盤に明かされる秘密を知ると、前半不思議に思えたことの多くがなるほどと思いますが、同時にそれと同じくらいじゃあこれはどうして?と思うことが増え、頭が混乱します。
そういうことは気にせず、特に前半のピアノ演奏とグイ・ルンメイの笑顔が見られれば十分と思って見た方がいいかなと、おじさんとしては思います。
(2008.9.27記)
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