◆たぶん週1エッセイ◆
映画「インセプション」
レオナルド・ディカプリオ主演最新作「インセプション」を見てきました。
正規の封切りから2週目土曜日、先行上映込みだと3週目土曜日、新宿ミラノ1では4割くらいの入り。
標的が寝ているうちに夢を共有して潜在意識に入り込んで標的の頭の中にあるアイディアを盗むスペシャリストのコブ(レオナルド・ディカプリオ)は、失敗が許されない案件での失敗で依頼者の組織から追われ、妻殺しの容疑で逮捕状が出ているために愛する子ども2人をアメリカに残しているがアメリカに帰国できない状態だった。アメリカへの帰国を切望するコブに、大富豪のサイトー(渡辺謙)は、帰国を実現することを報酬として、ライバル会社の後継者ロバート・フィッシャー(キリアン・マーフィー)の頭にその企業をつぶす意志を植え付けることを依頼した。作戦中に亡き妻のモル(マリオン・コティヤール)が度々共有する夢に登場するようになって失敗していたコブは、モルが侵入しにくいように夢の場面設計を新たにスカウトした学生アリアドネ(エレン・ペイジ)に任せ、旧知のメンバーとともにロバート・フィッシャーを眠らせてその夢の中に侵入するが・・・というお話。
ある意味何でもありの夢の中の世界の映像が、対象物自体はリアリティがありながら不思議な動き・変化をする様子をうまく表現していて、不思議な感覚を味わえます。夢を何段階かに設定することで、違った風景・設定の映像が切り替えで進行し、そういった映像が多数経験できる点はゴージャスな感じがします。
夢ということを活かした映像に比べて銃撃戦の映像とかは平凡に思えて冗長な感じがしました。むしろ後半の銃撃戦が続くあたりで退屈しちゃいました。
映画のテーマは、実はメインのストーリーよりも、コブとモルの夫婦関係、コブのモルへの思いの方に比重が置かれています。亡き妻への罪悪感、責任感に悩まされ、そして追慕の思いに作戦遂行もままならなくなる様子が度々描かれ、家族よりも仕事を優先するのが当然という描写が普通の日本映画とは風合いを異にしています。
コブとモルのラブ・ストーリーも、夢の世界の構築という点が美しいと感じるか逃避と感じるかの問題がありますが、切ない。
妻との関係での説明や、夢を何段階かに設定することで、どの世界が夢でどの世界が現実かを相対化するというコンセプトも、一定程度成功していると思います。少し込み入らせすぎる印象もありますが、ラストシーンの微妙さも含め、私はまぁいい線かと思いました。
設定は荒唐無稽なものですし、メインストーリーを追うアクション映画としてみるよりも、不思議な世界の映像を楽しみ、イメージ・アイディアを広げ、コブとモルのラブ・ストーリーとして味わう、そういう映画だと思います。
標的を飛行機中で眠らせて作戦を展開するために、その便のファーストクラスの座席を買い占めて乗務員を買収する必要があるというコブたちに対して、サイトーは、その航空会社を買いました、安いもんですよって・・・やはり日本の企業家は金にものをいわせる大金持ちってイメージが強いんでしょうね。
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