庶民の弁護士 伊東良徳のサイト

たぶん週1エッセイ◆
映画「ジュラシック・ワールド」
ここがポイント
 基本的に、恐竜の映像の迫力で見せる作品
 オーウェンとラプトルの間の異種間コミュニケーションというか信頼関係の成否がテーマ

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 「ジュラシック・パーク」シリーズ第4作の「ジュラシック・ワールド」を見てきました。
 封切り3週目日曜日、新宿ピカデリースクリーン1(580席)午前11時10分の上映はほぼ満席。アメリカでは2015年6月12日公開で初週末興収は全米・世界とも歴代新記録、累計興収は全米・世界とも歴代3位(いずれもアバター、タイタニックに次ぐ)。しかし、日本では、累計で2015年の年間1位にはなったものの歴代興収では30位クラス。世界歴代5位の興収を記録した「ワイルド・スピード SKY MISSION」が日本では普通のヒットレベル(歴代興収だと200位レベル)だったことと合わせ、市場の違いを感じさせます。

 離島にオープンした恐竜パーク「ジュラシック・ワールド」は、恐竜が闊歩する中を球形の乗り物ジャイロスフィアでドライブするアトラクションや巨大な水生恐竜モササウルスの水中ショーなどで人気を博していた。しかし、利益減少に悩む現場責任者のクレア(ブライス・ダラス・ハワード)は、集客と投資家へのアピールのため、研究所の責任者ウー(B・D・ウォン)に命じ新種の恐竜の開発を進め、遺伝子操作により高い知能とさまざまな能力を持つ体長15mに及ぶ肉食恐竜インドミナス・レックスを作りだした。一方で、飼育係オーウェン(クリス・プラット)が凶暴な肉食恐竜ラプトルを指示して抑制する様子を見たホスキンス(ビンセント・ドノフリオ)は、恐竜を調教して兵器化することをもくろむ。クレアの甥のザック(ニック・ロビンソン)とグレイ(タイ・シンプキンス)がクレアの招待で「ジュラシック・ワールド」を訪れたが、クレアは同行する暇もなく、助手のザラ(ケイティ・マクグラス)に任せて、オーナーのマスラニ(イルファ・カーン)の指示でオーウェンにインドミナス・レックスの防護壁の確認をさせていた。その際、インドミナス・レックスが逃走し、追いかけた警備隊も歯が立たず、クレアはアトラクションを中止して客を退避させるが、中止前にジャイロスフィアに乗り込んだザックとグレイは呼び戻しに応じずドライブを続け…というお話。

 基本的に、恐竜の映像の迫力で見せる作品。
 オーウェンとラプトルの間の異種間コミュニケーションというか信頼関係の成否がテーマとなっていて、ラプトルの表情が読み取れるというあたりが1つの見せ場といえます。
 新種のインドミナス・レックスを、生まれた時から防護壁の中に囲われ社会性がない故に、凶暴で見たものをすべて殺すと位置づけているのは、恐竜がすべて生まれつき凶暴なわけではないという恐竜への「偏見」を諫めるようでもあり、オタク・引きこもりへの偏見を助長するようでもあり、少し複雑な思いを持ちました。
 インドミナス・レックスを凶悪な敵役にするために、他の恐竜を結果的に人間の味方のように位置づけ、善悪2元的に役割分担させてしまうのは、娯楽作品として見やすい/共感しやすいというメリットはありますが、恐竜ものとしてのリアリティ(元からないか)を失わせるようにも思えました。
(2015.8.23記、2015.12.30追記)

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