庶民の弁護士 伊東良徳のサイト

たぶん週1エッセイ◆
映画「カノジョは嘘を愛しすぎてる」
ここがポイント
 ラブストーリーとしては、長い原作を短い映画に押し込んだせいとは思うが、今ひとつすっきりしない感が残る
 そこは観客の想像力で補えと言われているのか、原作を読めと言われているのか…

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 天才音楽クリエーターと美声の高校生ヴォーカルの恋愛映画「カノジョは嘘を愛しすぎてる」を見てきました。
 封切り2週目日曜日、ヒューマントラストシネマ渋谷シアター1(200席)午後0時10分の上映は9割近い入り。観客の多数派は女子中高生。

 超売れっ子バンド CRUDE PLAY の高校生バンド時代のベーシストで今は CRUDE PLAY の全楽曲を提供する天才クリエーターの小笠原秋(佐藤健)は、所属事務所の社長高樹(反町隆史)の商売第一の姿勢に反発し、さらには恋人の売れっ子歌手茉莉(相武紗季)が高樹とも関係を続けていることに嫌気がさし、隅田川を見つめて悲嘆に暮れていたが、新たな愛の歌が思い浮かびつい口ずさんでいた。そこに通りかかった近くの八百屋の娘小枝理子(大原櫻子:新人)は秋の口ずさむ歌に感激し配達中の野菜を舗道にぶちまけてしまう。転がってきたマッシュルームを拾い上げて理子に気づいた秋は、何の気なしに「一目惚れって信じますか」とつぶやき、理子は「信じます。今一目惚れしてしまいました」と答え、秋は戸惑いつつも正体を隠したまま理子をつきあうことになる。CRUDE PLAY の秋と知らないまま秋を守ると言った理子に秋は感激し、理子への思いを募らせ、幼い頃からの親友である CRUDE PLAY のリーダー坂口瞬(三浦翔平)に思いを打ち明ける。一方、高樹は秋を尋ねる途中、隅田川の河原で路上ライブをする理子を発見し、その声に惚れ込み、楽器は弾く振りだけという条件でプロデビューさせることを決める。高樹から新人のプロデュースを求められた秋はノータイムで断り、代わりに CRUDE PLAY デビュー時に秋が弾く振りだけを断って抜けた際代わりに入ったベーシスト篠原心也(窪田正孝)が理子と友人たちを MUSH & Co. の名前でデビューさせることになる。それを後から知った秋は…というお話。

 基本的なストーリーとしては、商売第一の高樹社長の手腕は認めざるを得ないが反発を感じ、仲間たち特に瞬との友情から CRUDE PLAY に楽曲の提供は続けるが、自分自身は一線を画したいという姿勢を持ち続ける秋と、幼なじみの瞬との友情、素朴に秋の作る歌に感動し秋を思う理子の秋の態度を巡って揺れる気持ちが見どころとなっています。
 ただラブストーリーとしては、たぶん長い原作のコミックスを短い映画に押し込むことの問題なのだろうと思いますが、今ひとつすっきりしない感が残ります。エンドロールが終わった後にそこで一度ひねられますが、そのひねりもだからどうなのよとすっきりしない感が残ります。そこは観客の想像力で補えと言われているのか、原作を読めと言われているのか…

 事前に知らされないままに自分たちのデビュー発表記者会見が行われて動揺した理子が、秋のところに駆けつけたところを追ってきた雑誌記者に写真を撮られ、秋は高樹からこのまま記事になったら理子はどうなると言われて高樹から記事もみ消しと引換に出された条件を苦悩の末飲むことになります。その後すぐ理子をまた同じ河原に呼び出すのが、おいおい学習してないのかこいつと思いますが、それはさておき、こういう役を佐藤健にやらせるかなぁ。つい、泥酔した前田敦子をスカートがまくれ上がったまま搬送する場面を週刊文春に撮られた時は何も考えなかったのか/何を考えていたのかと突っ込みたくなりました。

 ところで、映画中の売れっ子バンド CRUDE PLAY。映画の中では「クリュードプレイ」と読んだ上で、「クリプレ」と略してるんですが、仮に「クリュードプレイ」として、ふつう「クリプレ」と略するもんでしょうか。そして CRUDE を「クリュード」って読むんでしょうか。ふつうには「クルード」だと思うんですけど…
(2013.12.22記)

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