たぶん週1エッセイ◆
映画「ナイト&デイ」
ここがポイント
 上映時間の大部分がアクションシーンであるにもかかわらず、実質は恋愛映画
 すっきりした気分で出てこれる映画だが、ほぼそれだけが売りの映画

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 トム・クルーズとキャメロン・ディアス共演の恋愛アクション映画「ナイト&デイ」を見てきました。
 封切り2週目日曜日、新宿ミラノ1の一応午前中の上映は2〜3割くらいの入り。

 空港でぶつかった男ロイ・ミラー(トム・クルーズ)と同じ飛行機に乗り込んだジューン(キャメロン・ディアス)は、恋に落ち化粧室でロイにアタックすることを決意して化粧室を出るとロイに近寄りキスするが、ジューンが化粧室にいる間に組織に派遣された乗客や乗員が次々とロイに襲いかかり、ロイはそのすべてを殺害していた。キスを終えた後、この飛行機には機長がいない、僕が殺したと答えたロイは、不時着する、シートベルトをしてと言い残して操縦席へ。不時着した機内から脱出したところでパニックに陥るジューンに、ロイは薬を飲ませ、ジューンは気がつくと自宅のベッドに寝ていた。FBIに連行されたジューンを銃撃戦の末にロイが助け出し、ロイは自分は「ゼファー」と呼ばれる永久機関の試作品とその発明者の青年サイモンを守っているために追われていると打ち明ける。度々襲撃されてはロイに助けられるうちにロイへの思いを強くしたジューンはロイと行動をともにし、次第に大胆に行動していくが・・・というお話。

 CIAとCIA内の裏切り者、ヨーロッパの武器商人が絡み合ってロイが所持しているゼファーを奪い合うというアクションものとしてのストーリーになっていますが、設定、ストーリー、アクションともかなり荒唐無稽で、1分に1回くらい「ありえない!」と思う展開です。リアリティは一切求めずに、単純にトム・クルーズの、そして一部キャメロン・ディアスの、アクションシーンを楽しむ映画です。
 全体としてみると、上映時間の大部分がアクションシーンであるにもかかわらず、そのアクションシーンはラブ・ロマンスの引き立て役という感じで、これは恋愛映画だというべきでしょう。どんなに危険が迫っても冷静に笑顔を見せ続けるトム・クルーズ、敵地に乗り込んでもドレスアップしているキャメロン・ディアスの姿、さらには銃弾の飛び交う中で無防備にキスする2人を見ていると、アクションはついでだからと思わざるを得ません。
 48歳のトム・クルーズと38歳のキャメロン・ディアス。アップになると、寄る年波には・・・と思えますが、それでもこういうど派手なアクションものができる、恋愛映画の主役を張れるというのが印象的です。恋愛映画の方では、いくつになっても恋はできますし、昨今は高齢者の恋愛を見る目も変わりタブーでなくなってますから、驚くこともないですが。

 前半トム・クルーズが圧倒的な存在感と主導性を見せ、中盤で恐る恐るから次第に大胆に攻撃に参加するキャメロン・ディアスが、終盤で主導性を見せて逆転する展開が、コミカルな面での、そしてラブ・ロマンスとしての見せどころだと思います。
 ラストのオチは、うまく落としているのですが、きれいに決めすぎているだけに台詞まで予測できてしまいます。
 すっきりした気分で出てこれる映画ですが、ほぼそれだけが売りの映画かなとも思えます。

(2010.10.17記)

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