たぶん週1エッセイ◆
映画「今度は愛妻家」
ここがポイント
 「孝行をしたいときには妻はなし」がテーマの、中高年既婚者にはツボにはまる映画
 妻に「2人で沖縄旅行しようね」と言いたくなる映画

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 中年にさしかかろうとするやんちゃな男の妻への思いを描いた映画「今度は愛妻家」を見てきました。
 封切り2日目日曜日午前中は、3〜4割くらいの入り。客層は中高年中心ですが、若い世代もちらほら。

 かつては売れっ子写真家だった北見俊介(豊川悦司)は、もう1年近く1枚も写真を撮れないでいた。10年の間に妻さくら(薬師丸ひろ子)にばれただけでも10人の女と浮気し、明るく世話好きな妻の話にいつも素っ気なく振り払うような態度を取り、健康志向の妻の勧めにことごとく逆らい、俺が健康かどうかなんてお前には関係ないと言い放って妻を悲しませてきた。事務所兼自宅に通う謎のオカマ老人文ちゃん(石橋蓮司)や助手の誠(濱田岳)に囲まれて生活しながら、俊介は憎まれ口を叩き続け、仕事をしないでいる。俊介に愛想を尽かしたさくらは、離婚を宣言して俊介の前から立ち去ったが・・・というお話。

 後半にどんでん返しを用意してそこで感動させようとしている映画ですから紹介が難しいですが、「孝行をしたいときには妻はなし」がテーマの、中高年既婚者にはツボにはまる映画だと思います。トヨエツの後悔、回想シーンでの薬師丸の笑顔、泣けましたよ。
 薬師丸ひろ子には、デビュー(1978年、「野生の証明」)の時のあどけなさの印象が残るためもあるでしょうけど、やはりこの人は笑顔がいい。泣き顔や怒った顔のシーンは別人のよう(こっちの方が年相応に老けて見えるだけかも)。そういうイメージからも、ひろ子ちゃんを泣かせて・・・とトヨエツを責めてしまう気持ちになりがちです。

 俊介に言い寄ってきた女優志望のホステス蘭子(水川あさみ)と純真な誠のバタバタ愛もサイドストーリーとして楽しめます。
 文ちゃんの正体もちょっと意外な展開でお楽しみ。
 ラストは、それまでの流れからすると、ちょっとあっけない感じで、どうかなと思いましたけど。
 私は、一緒に見たカミさんに、つい「2人で沖縄旅行しようね」と言ってしまいました。そう言いたくなる映画です。いや、別に同じ結末を望んでいるわけではないですが・・・

(2010.1.17記)

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