たぶん週1エッセイ◆
映画「マン・オン・ワイヤー」
ここがポイント
 クライマックスになるべきツインタワーでの綱渡りが動画じゃなくて当時の静止写真というのがつらい
 事件後プティはセレブになり変わってしまったと述懐するプティの当時の恋人の語りが、ちょっと切ない

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 1974年8月7日、フランス人大道芸人フィリップ・プティが、今は亡きニューヨークのワールド・トレード・センターのツインタワーにワイヤーを張って綱渡りをした事件を映画化し、2008年のアカデミー賞長編ドキュメンタリー賞を獲得した映画「マン・オン・ワイヤー」を見てきました。
 封切り3週目日曜日ですが、東京ではテアトル・タイムズスクエア単館上映ということもあってか、あの広いテアトルタイムズスクエアでも半分以上埋まっていました。
 ところでテアトルタイムズスクエア、8月で閉館が決まってしまいましたね。大きなスクリーンで、段差が大きいので前に人がいても邪魔にならないし、大抵かなり空いているし、私は気に入ってたんですが、残念です。

 フィリップ・プティが、ニューヨークのワールド・トレード・センターの建設の記事を見てそこでの綱渡りを思いつき、建設を待って、その間、ノートルダム寺院とか様々な建物にワイヤーを張って綱渡りをやりながら計画を立て、実行するまでが描かれています。
 練習風景やワールド・トレード・センターに忍び込むところとかは役者で再現していますが、大部分はフィリップ・プティ本人と仲間たち、警察官らのインタビューで構成しています。
 見ていると、綱渡りの本番よりも、忍び込んでワイヤーを張ることの方が大変だったみたいです。

 映画としてみたときには、クライマックスになるべきツインタワーでの綱渡りが動画じゃなくて当時の静止写真というあたりが、かなりつらい。現実の事件の際の写真そのものは貴重ですし、迫力がありますが、やっぱり特撮でも何でも動画でつないで欲しい。

 インタビューでは、逮捕されて結局すぐに釈放されると、ファンという女性がやってきてそのまますぐベッドインしたとかいう話が、あぁアメリカだなという感じ。
 この後、プティはセレブになり変わってしまったと述懐するプティの当時の恋人の語りが、ちょっと切なく思えました。

(2009.6.23記)

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