◆たぶん週1エッセイ◆
映画「ミッション:インポッシブル ローグ・ネイション」
友情がより強調され、アクションのパターンとも合わせて、基本的には古い作りの作品
シリーズへの愛着を持つ、あるいはトム・クルーズファンには、おそらく文句なく満足できる作品
スパイアクションシリーズ「ミッション:インポッシブル」の第5作「ミッション:インポッシブル ローグ・ネイション」を見てきました。
封切り3日目日曜日、新宿ピカデリースクリーン1(580席)午前10時50分の上映はほぼ満席。
ウクライナからVXガスを積んで飛び立つ軍用機に飛び乗り、計画を阻止したイーサン・ハント(トム・クルーズ)は、ロンドンで新たなミッションの指示を受けようとしたところ、生死不明のスパイたちからなる「シンジケート」の手に落ちる。手錠をかけられた状態で目覚めたイーサンと薬物を注射しようと準備していた謎の女イルサ(レベッカ・ファーガソン)の前に凶器を携えた男が現れイルサを追い出してイーサンを攻撃しようとした時、イルサがイーサンに手錠の鍵を投げその男を倒した。追っ手を振り切って逃げ出したイーサンは、IMF(Impossible Mission Force)本部のブラント(ジェレミー・レナー)に「シンジケート」の存在を告げるが、本部ではハンリー長官(アレック・ボールドウィン)の意向でIMFの解体とCIAへの吸収が決定され、イーサンは国際手配の身となっていた。イーサンは、ロンドンの拠点で見かけた男を追って、ウィーンでの要人暗殺計画を知り、CIA本部で囲われの身のベンジー(サイモン・ペッグ)をオペラ座に呼び寄せるが…というお話。
一番話題になったトム・クルーズの戦闘機張り付き映像は、作品のストーリーにはほとんど関係がないエピソードで、「ミッション:インポッシブル」だぞという気分を作るというか、つかみとしてはいいのですが、後から振り返ると何だったのかなと思ってしまいます。
どちらかというと、長時間の素潜りとか、カーアクション、バイクアクションなどの、「新兵器」によらないアクションが見せ場になっています。マスクによる変装とか、自白剤の注射弾とか、アイテムも登場しますが、むしろ古くからあるパターンの発想です。
今回は、IMFの仲間たちの友情がより強調されています。アクションのパターンとも合わせて、基本的には古い作りの作品だと思います。それを前提に、オーソドックスなスパイアクションものの正統ぶりを追求したところを評価するか、あるいは、そもそも面白ければいいじゃないという姿勢で見るのが正解なのだろうと思いました。
ミッション:インポッシブルシリーズへの愛着を持つ、あるいはトム・クルーズファンには、トム・クルーズのアクションも、ラストの落とし方も、おそらく文句なく満足できる作品だと思います。
謎の女イルサ。アクションもかっこよく、位置づけがわかるとその行動も理解でき、入り込める気もするのですが、あくまでトム・クルーズを食わないようにお客様的な扱いです。性格設定・台詞をもう少しクールにすると、もっと光った印象を与えられたんじゃないかな。
(2015.8.9記)
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