◆たぶん週1エッセイ◆
映画「猫ラーメン大将」
猫のラーメン屋の因縁の親子対決根性物パロディコメディ映画「猫ラーメン大将」を見てきました。
シネセゾン渋谷だけの上映でこれから地方で上映するようですが、東京ではもう終わりというところで滑り込みました。やはり2〜3割の入りでしたが。
キャットアイドルの父親の元でキャットアイドルとなるべくスパルタ教育を受けてきた主人公が、嫌気が差して父親の元を飛び出し、寿司屋の見習い、外科医、タクシー運転手などを転々とするがうまく行かず、途方に暮れていたところをラーメン屋のオヤジ(黒沢年雄)に拾われ、ラーメンの旨さに感動してラーメン屋の修行をして1年後に自分の店「猫ラーメン大将」を持つが、そこに暴力団との交際をスクープされて芸能界を追放された父親が「本家猫ラーメン将軍」という店を近くに出し、味もパフォーマンスも圧倒的に凌駕して客を奪い、テレビ局は因縁の親子対決を生中継することになるが・・・というお話。
結末は、一応書きませんが、まぁこういう展開なら誰でも予測できるパターンです。
料理で因縁の親子対決ということから「美味しんぼ」(他にもあるかも知れませんが最近のものはフォローできてませんので)のパロディという要素もありますが、この映画はただひたすら「巨人の星」のパロディと割り切って見る映画です。「巨人の星」のパロディを、本物の巨人の星の星飛雄馬(古谷徹)と星一徹(加藤精三)の声優をそのまま起用してやらせ、おなじみの親子獅子の絵を使って再現したところが、この映画のすべてと言ってもよいと思います。一徹いや将軍が、テレビ局からなぜ大将の店のすぐ近くに店を出したのかと聞かれ、「獅子は」と言ったところで、当然、巨人の星で繰り返された「子を千仞の谷に突き落とし、はい上がってきた子のみを育てる」と言うかと思ったら、「手負いのうさぎを倒すのにも全力を傾ける」って・・・。将軍のぬいぐるみの目、かわい過ぎ。それで星一徹の声で根性物されても・・・。あと、そこまでやるなら、大将の意中の人は「ミキ」じゃなくて「美奈」にして声は松尾佳子にして欲しかったなと思います。
ラーメン屋のオヤジ(黒沢年雄)が「時には娼婦のように」の替え歌「時には醤油のように」を歌うのはご愛敬と言うしかない(この歌はやらない方がよかったような)。大将が究極の食材を求めて全国行脚する際に、和歌山のたま駅長やくりん・かりんといった実在のアイドル猫とじゃれるシーンは猫好き狙いでしょうけど、いかにも媚び過ぎ。そういう面で楽しめる人もいるかとは思いますけど。
私たちの世代はいいですが、巨人の星のアニメを見たことのない世代は、この映画を見てどこを楽しむのか、気になりました。
**_****_**