たぶん週1エッセイ◆
年賀状って・・・
 最近は年賀状のシーズンになると、印刷の年賀状は味がない・情がない、ひとこと手書きで添えてなんてことがよく語られます。
 私たち弁護士は、自営業者ですから、お客さんや同業者へのご挨拶で出すのももらうのも大量ですから、そんなこと言ってられないのが実情です。
 私の場合、印刷屋さんには頼まないで、自分でパソコンでレイアウトして事務所のプリンターで印刷するのですが、これがいつも年末のもう事務員さんもお休みに入ってからになります。1月1日に配達してもらうにはクリスマス前(最近はもっと早く出せって言われてますね)なんて言ったって、裁判所が開いている間はとても無理。で、事務員さんにその年に来た年賀状・暑中見舞い等のはがきを渡してそれにその年に新たに連絡の郵便を送った依頼者を追加した住所録を作ってもらってシールに打ち出してもらって(事務員さんはそれを12月中旬頃には私のところにおいているんですが)、私はひたすら自分でプリントした年賀状にシールを貼り続けることになります。ここ数年は、概ね800枚くらいその作業をしていますので、それだけで手一杯です。ひとこと書き添えるのは、直近で用事がある人くらい。
 せいぜいシールを貼りながら、あぁこの人どうしているかなぁと思い出すくらいです。シールを前にこの人どんな人だったっけという場合も少なからず。一度リストに載ると何か事情がないと外さないし、リスト作りの時に外すリストを作ること自体めんどうだし、なんてことでほとんど縁がなくなった人にも出し続けることにもなります。私が思い出せない人が毎年私に送り続けるのも、同じ事情だろうと思うのですが。
 逆に、ふだん頻繁に会っている人でも出していない相手もいたりします。作業中にふと、そういえばどうしてあの人はリストに入っていないのだろうと思うことも度々。要するに年賀状とか暑中見舞いが来ていないとふだんのつきあいと関係なくリストに載らないんですね。事務員さんがリストの整理をするときに私が「この人を追加しておいてね」と住所付きで言えばいいんですが、その頃にはもう忘れていてというかその時期は年賀状どころじゃなくて、毎年追加し忘れてそのままになるわけです。親しい人で相手から年賀状が来ない事情も、たぶん同じだろうと思いますので、お互い様であまり気にしませんけど。結局、私が年賀状を出す相手って、基本的には年賀状が来たかどうかとあとは事務員さんの判断で決まってるんですね(^^;)
 もらった方の年賀状は、熟読はしませんが、必ず読んではいます。私は手書きには全然こだわっていません。それよりも、中身に近況とかその人の人柄が偲ばれることが書いているのがいいですね。
 弁護士の年賀状って、大部分はとっても無難です。一番多いのは、新年の挨拶の言葉と図柄だけとか、数行程度ものすごく当たり障りのないこと(今年も仕事に励みたいとか)が書いてあるもの。様々な依頼者に出す関係上、営業的な観点から無難にって考えになるのでしょうね。それ自体はわからないではないですが、あまりにも退屈(そもそも読むところもないんですが)。まぁ、年賀状が来ていることで生きているとかまだ弁護士をやっていることはわかるので、その意味はありますけど。
 私は、毎年、活動報告的な年賀状を出しています。たいていの年は原発裁判とか労働裁判のことを書きますので、一般民事事件の依頼者とか債務整理の依頼者とか(依頼者の数としては当然こっちの方が多数派)に驚かれたりします(最近はこのサイトを見てから依頼する方が多数派ですので驚かれることは少ないと思いますけど)。でも弁護士が持つ数少ないメディアの1つとして、原発問題や労働問題にふだん関心がない人にも広めるつもりで敢えてそういう年賀状を書き続けています。
 それはさておき、弁護士の年賀状で次に多いのは、趣味や私生活上のホワンとした話題を少し書いたもの。これもたぶん当たり障りのないという観点から書いているのでしょうが、こちらの方が読みがいがあります。例年面白いエピソードを入れてくる人も何人かいて楽しみにしていますが、これもネタが尽きるのか(尽きるでしょうね)だんだん当たり障りなくなってくる感じもします。
 学生時代の知人とか研修所時代の知人とかでは、写真入り年賀状派も割りといて、これもあぁ老けたなぁとかまだ若いなぁとか楽しめますし、何と言っても絶対に誰かわかるという利点があります。でもいつの間にか自分の写真なしで子どもの写真だけ(犬の写真だけとか猫の写真だけも・・・)で送ってくるようになる人がけっこういるのは困りもの。意識的に撮らないと家族全員の写真とか自分が写っている写真って、意外に手元に残らないのはわかるんですが、でももらう方としては子どもじゃなくて本人の写真が見たい。
 ふだんの連絡では電子メールを使うことが増えているのですが、意外に年賀状にはメールアドレスが書かれていない感じがします。年賀状自体は、普通は正月を過ぎると見返すことはないですから、メールアドレスがあるとその時にチェックしてパソコンに入れてその後使えて便利なのですが。年代のせいなんでしょうか、それともメールが主体の人はそもそもはがきで年賀状なんて出さないって?

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