たぶん週1エッセイ◆
新年を迎えて 2011年
 すぐにも成立するはずだった労働者派遣業法の改正も立ち往生し、売りだったはずの事業仕分けでは倒産企業の従業員を救う未払賃金立替払制度が「原則廃止」に仕分けされ(厚労省は存続を宣言)と、何やってんだかと思う民主党政権。
 長妻厚労相時代の行政指導で定年再雇用が原則という就業規則が定着して困っているという使用者側の弁護士の話を最近聞いて、隠れていいこともしてたのねとも思いましたけど。
 でも、個人の所得税と消費税を増税して、それを社会保障に充てるんじゃなくて、法人税減税に使うって、「人から会社へ」「政官財鉄のトライアングル」とも感じられる政策が看板になるようではね。

 昨年から私の弁護士会での役回りが、法律相談センターから労働関係にシフトしています(法律相談センターでは前委員長のご隠居さん平委員を続けています。第二東京弁護士会は労働法制委員会がなくて司法制度調査会の労働法部会が労働法関係を担当しています。2010年4月からその部会長にさせられています。弁護士会の仕事はもう引退して本業に専念したいんですが)。そういうこともあって、視点がその方面に向いています。
 解雇の事件は労働審判の定着によって多くの場合数ヶ月のうちにそこそこの解決を見られるようになっていますが、弁護士にたどり着く割合はまだ圧倒的に低くとどまっています。
 弁護士としては、担当した個別の事件で結果を出して個別に救済していくしかないのでしょうけど、歯がゆい思いです。

 サイトの方は、過払い金請求への関心が減ってきたことからアクセス数がやや減少傾向になってきた感じです。
 それはそれでいいかなという気もしますし、個人的にもそろそろ過払い金請求も食傷気味というか、やりたいという弁護士や司法書士があふれてるんだからそっちへ行ってもらえばという思いもないではないです。
 ただ、ブームが去ったから多重債務問題が解決したわけではありません。また、大半の弁護士も司法書士もきちんとやっていると、私は思っている/思いたいのですが、現実に別の弁護士や司法書士に頼んでいたけどと相談に来られたケースでは唖然とするものも見られます。やっぱりまだがんばらないといけないかなぁ、と思案中です。
 今年もよろしくお願いします。

**_****_**

 たぶん週1エッセイに戻る

トップページに戻る  サイトマップ