庶民の弁護士 伊東良徳のサイト ロゴ

たぶん週1エッセイ◆
新年を迎えて 2021年

 コロナ禍の下、あらゆることをリモート・Web会議で済ませようとする風潮の中で、改めて人と会うこと、会って話をすることの大切さを実感しています。
 ネットを駆使していると評価されているようで、意外と受け止められますが、今のところ、裁判でも弁護士等との会議でも、私はWeb会議は原則拒否しています。マスクで顔の半分が見えなくても、直接会うことで感じあえるものはありますし、関係者が行く・集まること自体を面倒に思うような業務・会議ならやる価値もないのだと思います。弁護士会の研修会をZoom参加可にしたらリアル出席はわずか20名程度になりました。行くのは億劫だ、Zoomなら聞くというような覚悟で本当に聞いているのか、そんな聴衆に向けて講師はどんな気持ちで話すのかと思います。他方、先日、Zoomもネット配信もなしで行った多田謠子反権力人権賞受賞発表会は例年以上の参加者が詰めかけました。
 サイトで解雇事件の実務を軟らかい文章で読んでもらおうと書き始めた小説「その解雇、無効です!」は、シリーズになりもう「3」まで書いてしまいました。「その解雇、無効です」で検索すればたぶんトップでヒットします(このサイトのトップページにリンクボタンもありますし)ので、気が向いたらお読みください。解雇事件について知りたい方がいたらお薦めいただけるとうれしく思います。
 今年もよろしく

※この年末、控訴審・上告審から受任した控訴・上告事件(つまり本人か別の弁護士がやって負けた事件の控訴・上告)を5件抱えて年を越しました(もちろん、それと別に1審私がやって勝訴して控訴されてる控訴事件や、日常的に受けている解雇・雇止め事件やふつうの民事事件、いつまでも解放されない原発関係の事件も持っています)。その5件の理由書提出期限が12月17日、1月4日、1月7日、1月8日、1月13日と続き、この年末は、「その解雇、無効です!2」の第3章・第4章でネタにした2018年-2019年の年末年始以上に重圧感・切迫感に満ちたものでした。業界の人は、このスケジュールを聞くだけで身の毛がよだつでしょうけど、業界外の人にはわからないかも知れないので、くどく言いますと、控訴審・上告審から受ける控訴・上告事件というのは、短期間に相当に分厚くなっている事件記録を一から読んでプロである裁判官が書いた判決の穴を探すという作業で、弁護士にとっても苦渋に満ちたもので、理由書1件抱えているだけでもその間気になり続け胃が痛いものです。経営的にも割が合わず、大半の弁護士はやりたがらない作業です。そういう理由書を5件抱えるということは、正気の沙汰では…
 そういう状況で、大晦日の夜に、私としてはたぶん初めて、依頼者宛の電子メールで他の事件の文書を添付して送るという失策を犯してしまいました。他の弁護士からのメールで自分がそういうメールを受けることは多々あり、ありがちなことではありましょうけれど、これまではどうしてそういうミスをするのかなと思っていたのですが。ようやく理由書案を書き上げて、これでとりあえず年内に送れると安堵し、ホット気が抜けたのでしょうね、それ以前に書いた別事件の理由書案のファイルを添付して送ってしまいました。
 疲労困憊の年末年始です。
(2021.1.1記)

**_**区切り線**_**

 たぶん週1エッセイに戻るたぶん週1エッセイへ

トップページに戻るトップページへ  サイトマップサイトマップへ