たぶん週1エッセイ◆
映画「のだめカンタービレ 最終楽章前編」
ここがポイント
 のだめはほとんどアニメの世界で、千秋主体の基本ストーリーの根性物的な雰囲気とのギャップが目につく
 前編の贅肉を削ぎ落として演奏シーン以外はアップテンポで進めて後編後半につなげれば、映画作品として見やすいものになったと思う

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 人気漫画・フジテレビドラマの映画化「のだめカンタービレ 最終楽章前編」を見てきました。
 封切り初日土曜日午前、郊外の空いていそうな映画館を狙って行ったからではありますが、3割くらいの入り。新宿や渋谷ではいっぱいだったのでしょうけど。

 パリで同棲するヨーロッパの指揮者コンクールで優勝した千秋真一(玉木宏)と音楽学校に通うのだめ(上野樹里)が、千秋が常任指揮者に就任することになった伝統はあるが今は資金難と団員の大量退団でガタガタになったマルレオーケストラの立て直しに奔走するというお話。
 最初から「前編」と銘打っているように、前編では千秋とのだめの関係にはそれほど進展はなく(後編でも、ないかもしれないけど)、基本的には、ガタガタになった状態のマルレオーケストラを千秋が、最初は千秋を低く見ていたコンサートマスター(重要なキャラなのに公式サイトでキャストとして紹介されていません。映画のではなくドラマのファンのために作られてるんですね。この映画と公式サイト)と緊張関係を持ちつつオーディションや厳しいリハーサルを経て立て直していくメインストーリーに、コメディというかギャグでしかあり得ないのだめの登場シーンを付け加えたものです。のだめの登場シーンは、ほとんどアニメの世界で実写にはちょっと向かない感じで、千秋主体の基本ストーリーの根性物的な雰囲気とのギャップが目につきます。
 千秋主体の部分は、まぁいいんですが、千秋の神経質な様子はよく描かれていますけど、「本物」とか「大物」って感じはちょっと・・・。それからヨーロッパで外人の団員たち(やはり、公式サイトでほとんどキャストの紹介がされていない)が全員日本語でしゃべっている(当然吹き替え)のも、きまじめな映像と展開とマッチせず違和感がありました。

 マルレオーケストラの立て直しに成功したところで、取って付けたようなラストの中途半端さが、後編に続くという、安っぽいテレビの連続ドラマ的な感覚で、さもしく思えました。タイトルにも「前編」って謳っているところからして予想できることではありますが、こう露骨にやられるとねぇ。

(2009.12.20記)

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