たぶん週1エッセイ◆
映画「さらば愛しの大統領」

 「世界のナベアツ」が大阪府知事に当選して大阪合衆国の独立を宣言、大阪府警の迷刑事たちがナベアツを暗殺から守るべく奮闘するナンセンスコメディ「さらば愛しの大統領」を見てきました。
 全国公開3週目(関西地区先行公開から4週目)土曜日、「大ヒット御礼!柴田大輔監督&世界のナベアツ監督トークショー」開催のヒューマントラストシネマ渋谷午後4時50分からの上映は、上映開始時点で5割くらいの入り。トークショー開始時点では7〜8割埋まっていたのは・・・

 不況と治安の悪化が極まった大阪で、大阪府民のノリの良さと誰がやっても同じやんという思いから、大阪の独立を公約としたお笑い芸人「世界のナベアツ」(本人)が現職を破って大差で大阪府知事に当選した。ナベアツ知事は、オモローランド開園で観光客を誘致し、笑力発電を導入するなど、笑いの絶えない大阪をアピールし府民の支持を高めていき、大阪合衆国の独立宣言の日が近づく。大阪府警にはナベアツ知事暗殺予告が相次ぎ、世界のナベアツの幼なじみでキレやすい早川刑事(宮川大輔)と女好きの番場刑事(ケンドーコバヤシ)コンビが暗殺犯捜査を担当する。暗殺犯たちは、早川刑事と番場刑事の活躍によらずに勝手に自滅して失敗を続けるが、独立宣言の会場に真打ちの暗殺犯が向かったことを知った早川刑事はナベアツを救おうと現場に走るが・・・というお話。

 映画としてストーリーを追うのは、かなり苦しい。ギャグの積み重ねを優先してそれを何とかつないでいるという感じの作りです。中盤に入る取調NG集が、ストーリーの流れを決定的に断ち切り、ギャグの質としても冷やしてるなぁという印象です。
 ナンセンスコメディですが、意外にしんみりさせるところがあります。1つはナベアツが笑いの大切さを語るシーン、もう1つは爆弾を前にした串カツちゃんの秘書原田(釈由美子)への忍ぶ恋エピソード。ギャグの中にも少し心温まるところも。
 ただ、売りの部分の暗い世の中だから笑いが大切というのはハリー・ポッターでも登場しますし(炎のゴブレットのラスト:そんなの覚えてるのハリポタオタクだけだって)、笑力発電ってモンスターズ・インクだし。そういうどこかで見たような、が先に立つところ、ちょっと白けます。

 全編大阪ネタの映画なんですが、トークショーで聞いた話によると、ロケは全部東京で、通天閣を飛ばすシーンだけが現地の映像だとか。しかも、それを撮りに行けなくて困ったという話になり、最後にはカメラクルーがプライヴェートで大阪に行って撮ってきたとか。それくらいの予算もなく映画撮ったの?

 すべるギャグも多いですが、撃たれても死なない最強の大阪のおばちゃん軍団と、「うまい棒コーンポタージュ味」の恨みが、私には強烈な印象を残しました。

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