たぶん週1エッセイ◆
映画「踊る大捜査線THEMOVIE3」

 邦画実写映画興行記録歴代1位の「踊る大捜査線THEMOVIE2 レインボーブリッジを封鎖せよ!」の続編「踊る大捜査線THEMOVIE3 ヤツらを解放せよ!」を見てきました。
 封切り4週目土曜、先日月曜日海の日に見損ねたリベンジでしたが、土曜日午前中は(ポケモンやアンパンマンやアリエッティ目当ての)お子様連れの長蛇の列はなく、あっさり入れました。でもほぼ満席。内容から見ても興行新記録樹立はとうてい無理とは思いますが、それでも普通の基準で見ればやはり大ヒットですね。ブランドの力は大きい。

 強行犯係長になった青島(織田裕二)は、湾岸警察署引越対策本部長として引越の作業を進めていたが、そのさなか、銀行のセキュリティが破られた事件とバスジャック事件が発生した。すみれ(深津絵里)らと青島らが現場に駆けつけたが、どちらも遺留品も目撃者も残さない完璧な手口だが、被害も全くなかった。その間に引越作業中の新湾岸署から青島やスミレらの拳銃3丁が盗まれ、ネット上でその事実が明らかにされた上、引越作業員の1人が射殺された。被害者のコンピュータログからオンラインゲームサイトに入った本庁の新交渉課長小池(小泉孝太郎)が待ち受けていた犯人と交渉を始めると、犯人側はかつて青島が逮捕した受刑者たちの釈放を要求し、要求が受け入れられなければ、次の拳銃を使用すると通告した。超法規的措置による釈放を主張する警察上層部に抵抗する警察庁長官官房審議官警視監になった室井(柳葉敏郎)、調整役の管理補佐官鳥飼(小栗旬)らの協議が続く中、犯人グループは引越中の新湾岸署のセキュリティシステムを乗っ取って新湾岸署を封鎖し、深夜0時になったらソマンガスを撒布すると通告した。新湾岸署に閉じ込められたすみれらを救おうと外から鉄扉を叩き続ける青島。しかし時間は迫り・・・というお話。

 前作に続いて上層部と現場の対立という設定はなされていて、そこへのこだわりはあるのですが、この作品では現場が一丸となって結果を出すという爽やかな場面はなく、ただ対立が続いてるなという印象だけが残ります。上層部レベルでは室井が出世して発言力は持ちながら立場上簡単には意見を鮮明にできない歯がゆさがあり、それはそれで組織ドラマとして描きようもあったはずですが、そこに中途半端な調整役の小栗旬を入れてしかもそちらに重心を置いているので、室井の苦悩とかいうドラマにもなりません。現場でも至るところで小栗旬が出てきて青島の活躍を薄めますし、後半は現場のメンバーの大半が新湾岸署に閉じ込められたままですから現場としての活躍のしようもありません。小栗旬が入ったことでストーリーと人間関係が複雑になりそれ自体はいいようにも悪いようにも評価できますが、結局はただかき回してるだけという感じがしました。
 テレビドラマ以来の登場人物それぞれに役を持たせてそれらしいエピソードを挿入していて、しかも小栗旬と小泉孝太郎の新メンバーにかなりの場面を割り振っているため、ファンサービスのための小ネタやこだわりの映像が多く、映画としてこの作品自体を見たい観客には不必要な映像が多すぎると思います。

 犯行と犯人像についても、今時はネット上のクラッキングをメインに据えざるを得ないのかもしれませんが、ちょっともう飽きたなぁという感じ。
 ネット「教祖」についてもステレオタイプというか、悪意を持った描き方と感じます。キョンキョン哀れ (T_T)

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