庶民の弁護士 伊東良徳のサイト

たぶん週1エッセイ◆
映画「オー!ファーザー」
ここがポイント
 基本的には4人の父親のキャラで見せるほのぼの系コメディ
 サスペンス部分はおまけと思ってみた方がいい

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 伊坂幸太郎の小説を映画化したサスペンス・コメディ「オー!ファーザー」を見てきました。
 封切り2週目土曜日、ヒューマントラストシネマ渋谷シアター2(173席)午前9時30分の上映は1割足らずの入り。

 懐妊当時母親が四股をかけていて父親がわからないというために、ギャンブラーの鷹(河原雅彦)、元ホストの葵(村上淳)、熱血教師の勲(宮川大輔)、大学教授の悟(佐野史郎)の4人の父親と同居している高校生由紀夫(岡田将生)は、同級生の多恵子(忽那汐里)に頼まれて不登校の同級生小宮山宅を訪れるが追い返され、自宅近くまで来た多恵子に4人の父親と住む秘密を知られてしまう。鷹の知り合いの裏社会のフィクサー富田林(柄本明)が開いたゲームセンターを訪れた由紀夫は、悪徳弁護士のカバンを何者かがすり替えるのを目撃し、犯人を追うが、チンピラに追われる幼なじみの鱒二を助けるうちに見失う。鱒二はチンピラから富田林の仕事を手伝うように求められて受けたが、寝坊してすっぽかしてしまう。富田林の部下に呼び出された鱒二と由紀夫は、危機一髪を駆けつけたパトカーに救われるが、パトカーが来たのは近くで心中死体を発見したとの通報があったためで、その男女はカバンをすり替えた男と、悪徳弁護士の注意をそらしていた女だった。相次ぐ事件を考えるうちにふと閃いた由紀夫は駆け出すが…というお話。

 基本的には、父親が4人いて同居しているというシチュエーションとその4人のキャラで見せるほのぼの系コメディで、サスペンス部分は一応ストーリーの軸になってはいますが、あまり気にしない方がいいかと思います。
 サスペンス部分では、やはり犯人像がいまいちで、この犯人像だと心中事件もこの犯人がやったということなのか引っかかりを感じます。また、カバンすり替え事件よりも相当早くから小宮山が不登校になっているのも、疑問が残ります。富田林の件については、誰の仕業だったのかの説明もありません。
 そして、この4人の父親をして、四股が発覚ししかも誰が父親かわからないなどと言われながらも、別れるより一緒に暮らそうと全員に思わせる凄腕の母がどういう人かに、観客の興味は集中するはずですが、これが…あえて最後まで引きずる演出ですので制作側は種明かしを避けたいのでしょうから、書くといかにもネタバレなのでぼかしますが、期待外れです。
(2014.5.31記)

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