◆たぶん週1エッセイ◆
映画「パラレルライフ」
韓流ミステリー映画「パラレルライフ」を見てきました。
封切り4週目日曜、東京で唯一の上映館シネマスクエアとうきゅうの昼の上映は1〜2割の入り。
先輩裁判官の娘ペ・ユンギョン(ユン・セア)と結婚し、最年少で部長に抜擢されたエリート裁判官キム・ソクヒョン(チ・ジニ)が部長就任後最初に担当した事件の被告人は違う時代に生きる2人の人間が同じ人生を繰り返す「平行理論」を主張し、妻が殺害されたのは抗いがたい運命だと主張していた。ユンギョンが頭部を激しく殴打された惨殺死体で発見され失意にくれるソクヒョンは、記者から30年前に同じ年齢で部長に任命されたハン・サンジュンが同じ日に部長になり同じ日に妻を殺害されたと伝えられる。イ・ガンソン検事(イ・ジョンヒョク)はソクヒョンの判決に不満を持っていたチャン・スヨン(ハ・ジョンウ)を逮捕するが、ソクヒョンは犯人は別にいるのではないかと疑い、ガンソンは憤る。ソクヒョンは次第に平行理論を信じ始めて30年前のハン・サンジュンの事件を調査し始めるが、事件記録は隠され、しかも重要部分は破棄されていた。30年前と同じ進行をすれば6日後にはソクヒョンは事務官ソ・ジョンウン(パク・ビョンウン)と娘のイェジンとともに殺されることになる。ソクヒョンはそれを回避するために当日3人が同じ場所にいないように手配し、なお調査を続けるが・・・というお話。
平行理論というオカルトっぽい設定と、現在進行中の事件と30年前の事件の謎解きを絡ませたミステリーとしてストーリーが進行していきます。30年前の事件の謎解きが、現在の事件の進行と重なり、30年前の事件の真相とそれを隠したい関係者のせめぎ合い、現在進行中の事件の関係者の思惑が絡まって、やや複雑な展開になっています。単純にミステリーとして見て、そこそこのできと思います。
平行理論:パラレルライフについては、特にその解明はなく、受け入れるしかないということになりますが、ここはむしろ、司法の隠蔽体質が時を経ても繰り返されている/変わらないということの象徴として据えられていると見た方がいいかなと思いました。全体として韓国での裁判所、検察庁、警察を含めた司法への不信感が感じられるところです。
事件の発端となる、そして謎解きの対象となるユンギョン、そしてハン・サンジュンの妻殺害事件の原因の設定の仕方は、これを書いたらミステリーの中枢のネタバレになりますから書きませんけど、やっぱり韓国らしいというか儒教的な価値観を感じます。気持ちはわかりますけどね。でも、そこまで(殺さなくても、またそこまでして真相を隠蔽しなくても)・・・という気がします。
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