たぶん週1エッセイ◆
映画「パートナーズ」

 盲導犬と盲導犬に関わる人々を描いた映画「パートナーズ」を見てきました。
 封切り2週目日曜、メイン上映館で東京で4つの上映館の1つヒューマントラストシネマ有楽町の午前10時40分からの上映は4割くらいの入り。内容から見て多数派かと思われた小中学生女子と母親のコンビは必ずしも多くはなく、意外に中高年の観客も目に付きました。

 マグロ冷凍庫での作業に従事していたワーキングプアの青年小山内剛(浅利陽介)は、事故で障害者となり自殺した先輩が親には盲導犬訓練士の学校に行っていると嘘をついていたと聞いたことをきっかけに、手に職をつけたいと思って盲導犬訓練士になるが、今ひとつ盲導犬のことを好きになれずにいた。訓練センターの近くに住む少女美羽(近藤里沙)は、写真家の父親が別居することになって母親が寂しいから犬を飼おうかと言い出して盲導犬の子犬を預かるボランティア:パピーウォーカーに応募したことからラブラドール・レトリバーの子犬を預かり、父親が憧れたチェ・ゲバラにちなんで「チエ」と名付けて、愛情を注いで育てた。チエが1歳となり訓練センターに返す日が来てもあきらめきれずに立ち尽くす美羽に、剛はチエを立派な盲導犬にすると宣言する。気分屋で荒れ気味なロックシンガーの真琴(大塚ちひろ)は、ライブ中の事故で失明し、捨て鉢になり周囲に当たり散らしていたが、真琴の母のところにピアノを習いに来ていた美羽の母の紹介で失明した彫り物師と語らう中で盲導犬を知り、盲導犬を希望し、チエとペアを組むことになる。盲導犬を愛そうとせずにわがままを言い続ける真琴に剛は自分も盲導犬を愛せなかったが美羽にただ自分がチエを愛したからチエも自分を好きになってくれたと教えられたと語る。試行錯誤しながら、少しずつ前向きになっていく真琴に、いつしか剛は恋心を抱き・・・というお話。

 盲導犬と盲導犬への愛情を通じて、生き甲斐を見いだせなかった剛が人間らしい気持ちと生き甲斐を持ち、バラバラになりかけた美羽の家族の絆が再生し、自暴自棄になっていた真琴が前向きに人生を踏み出していくという、人間関係ドラマになっています。
 盲導犬については、動物病院のICUとか、引退した盲導犬の里とか、本当に映画通りに丁寧に扱われているのだとすると、それだけでも心温まる思いがしました。こういう善意のシンプルなストーリーに弱い私は、チエが酔っ払いに絡まれて死にかけ、美羽が涙ながらに見守るシーンとか、涙ぐんでしまいますし。

 一緒に住んでいてはいい写真の仕事ができないといってうちを出る美羽の父親。そういいながら遠くに行くでもなく、ラーメンの写真とか撮ってるし、度々戻ってくるし、今ひとつわからない設定。
 今どき、チェ・ゲバラとロバート・キャパに憧れて写真を飾っている写真家って・・・年はいくつの設定?
 チエを心の支えにライブ活動を再開する真琴。でも、ロックシンガーだった真琴が、弾いたことのないピアノ(猫踏んじゃったは弾いてたけど)を母から習って、バラードで復活って・・・
 女の人を好きになったことがない、手をつないだこともない、剛って・・・それを聞いて「草食系かぁ」って、いじる小学生って・・・

**_****_**

 たぶん週1エッセイに戻る

トップページに戻る  サイトマップ