◆たぶん週1エッセイ◆
映画「レッドクリフPartT」
三国志のクライマックス「赤壁の戦い」を描いた歴史アクション映画「レッドクリフPartT」を見てきました。実は8日土曜日の午前中に行ったんですが、そのまま泊まりで地方に出かけたので今頃書いています。
第1週で100万人突破だそうですが、第2週土曜日でも、午前中郊外雨模様という条件ではガラガラでした。
元は「赤壁」に敢えて英語を当てた原タイトルを日本語タイトルにするときに、例えば「三国志・赤壁の戦い前編」とかにしないで「レッドクリフ」のカタカナ書きにしたのは、若者狙いとしてもちょっと冒険かと思いましたが、動員数から見ると成功なんでしょうね。
冒頭、いきなり日本語のナレーションで三国志の流れの解説が始まり、あれ?吹き替え版に間違って入ったかなとちょっとドッキリします。
PartTは、赤壁の戦いに至るまでの、曹操軍の南進と劉備軍の敗走、諸葛孔明が孫権を説得して同盟を結び、劉備・孫権同盟軍が赤壁の戦いの前哨戦で勝利するまでを描いています。
最初の圧倒的な曹操軍の進軍を、劉備(ユウ・ヨン)を慕い付いてきた民の逃げ延びる時間稼ぎのために多勢に無勢のまま斬り合いを続けて倒れていく劉備軍の兵たち、そして逃げまどいあるいは犠牲となる民の姿が涙を誘います。敵兵に囲まれながら逃げ遅れた劉備の妻と赤子を守って八面六臂の活躍を見せる趙雲(フージュン)や多数の兵をなぎ倒して怪力を見せる張飛(ザン・ジンシェン)や曹操の目前まで迫る関羽(パーサンジャブ)らの凄さを紹介したいというもくろみではありましょうが、流血シーンが続きます。曹操(チャン・フォンイー)も残虐さが強調されているものの単身迫ってきた関羽を敢えて手勢に斬らせずに帰還させるなど太っ腹なところを見せています。
その後は、同盟のために説得に訪れる諸葛孔明(金城武)を迎える孫権(チャン・チェン)とその将軍周瑜(トニー・レオン)の側から、周瑜の人柄や思いを描く場面が続きます。周瑜の優しさ、音楽の素養、兵と民の心を掌握する力、そして妻小喬(リン・チーリン)との愛がかなりの時間をかけて映し出されます。アクション映画としてみるとここはもう少し短いカットでいいんじゃないかとも思いますが、圧倒的な力を持つ曹操軍との戦いを決意するまでの人間ドラマとして見るとこれくらい時間をかけたいかなとも思います。周瑜と小喬のベッドシーンは、それにしてもちょっと見ていて恥ずかしいくらい長回しでネッチリと続き、やり過ぎの感がありますが。
赤壁の戦いの前哨戦の陸戦では、再度戦闘シーンの連続となります。ここは諸葛孔明の作戦勝ちで劉備・孫権軍が勝利を収めるのですが、八卦の陣で敵を誘い込んで分断して楯の列で閉じ込めておきながら、何十人かの敵にわざわざ関羽や張飛が1人で飛び込んで行ったりするのは、武将の見せ場を作るのはそうでしょうけど作戦としては見ていて疑問。ましてや周瑜が指揮台から降りて単身敵の中に飛び込んで行って矢を受けて負傷するというのは・・・
ちょっと流血シーンが多すぎる嫌いがありますし、アクション映画としてはテンポが悪いところもありますが、戦闘シーンや船団の壮大さは、さすがに金をかけた映画だなぁという感じがして、あぁ映画見たなぁという気持ちになれる映画です。でも、もう撮影を終わっているのなら、PartUは4月といわず1月後くらいには公開して欲しいなと思います。
PartUの予告編で予告してたマスコットの関ピー・張ピーとか、仔馬の名前が萌萌とか、意外にかわいいセンスが見られるのも笑えます。
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