◆たぶん週1エッセイ◆
映画「猿の惑星:創世記」
シーザーの表情と感情、猿たちの連帯感が主役
意地悪な看守の横暴さとか憎らしさとか、それでいて抜けているとかのキャラが、はまっているのはハリー・ポッターのマルフォイのイメージがかぶっているからかも
往年の名画「猿の惑星」シリーズのエピソード1「猿の惑星:創世記」を見てきました。
封切り2週目土曜日、上野東急の午前11時45分の上映は7割くらいの入り。
巨大製薬会社「ジェネシス」でアルツハイマー新薬を研究しているウィル(ジェームズ・フランコ)は、開発中の新薬112を投与したチンパンジーの知能が異常に発達していることに気がつき、新薬承認申請に向けて社内でのプレゼンを始めるが、その最中に被験者のチンパンジーが暴れ出してプレゼンルームに乱入し射殺されてしまい、危険だと判断されて開発にはストップがかかってしまう。そのチンパンジーの部屋の片隅に産まれたばかりのチンパンジーがいるのを見つけたウィルは、自宅に連れ帰り、「シーザー」と名付けで育て、アルツハイマーに悩む父親(ジョン・リスゴー)との共同生活が始まった。3年後シーザーは人間の子ども並みの認識能力を持ち、言葉を理解し、手話でウィルと会話できるようになっていた。新薬112の効果を実感したウィルは、父親のアルツハイマーの症状が進んだのを見て、会社の研究室から新薬112を密かに持ち帰り、父親に投与した。父親は翌朝には劇的に回復し、ウィルはシーザーのけがの手当をきっかけに知り合った獣医のキャロライン(フリーダ・ピント)と仲良くなり、幸せな日々が続いた。しかし、5年後、父親のアルツハイマーは急激に悪化し、隣人とトラブルを起こし、父親が隣人から罵られるのを見たシーザーは隣人のパイロットに飛びかかり、檻に収容されてしまう。ウィルは父親のために新薬112の強力版の新薬113を開発するが、父親は投与を拒否し死亡する。ジェネシス社は、ウィルが父親に新薬112を投与して効果があったことを知ったことから、新薬113の製品化を急ぎ、チンパンジーへの実験を矢継ぎ早に行い量産化する。檻の中で反目するボスや仲間たちを次第に説得し、檻の鍵を手にしたシーザーは、ウィルの就寝中に部屋に戻り新薬のサンプルを発見し、檻の仲間たちに投与した上、檻から脱走し・・・というお話。
地球が猿の惑星となった経緯を描くという映画で、結果が見えている上に、猿はCGですので、入り込みにくいかなと思っていました。猿の映像ではウォークマンのCM(こういうのネットですぐに見られるのが今はすごく便利だなと思ってしまいます。1987年だったんですね)を見たときの衝撃ほどではないだろうと。でも、多くのシーンではCGと意識することもなく、むしろ表情のつくりで猿の感情がよく表され、けっこう感情移入できました。特に終盤のゴリラがシーザーを救うシーンなど涙ぐんでしまうほど。ただ、四つ足で走るときの後ろ姿とか、ちょっと不自然な傾きというか癖があって、たぶんそういう走り方をする猿はいるだろうとは思うんですが、毎回同じ走り方で、しかも群れになってもみんな同じ癖で走るあたりが、CGだよなぁ、やっぱりと思ってしまいました。
「猿の惑星」へのつなぎ部分は、一応きちんと説明されていますし、悪役の隣人もうまく登場していますが、それは何か付け足しっぽい印象。
やっぱり、シーザーの表情と感情、猿たちの連帯感が主役ですね。
意地悪な看守(トム・フェルトン)の横暴さとか憎らしさとか、それでいて抜けているとかのキャラが、はまっていますが、これはハリー・ポッターシリーズでのドラコ・マルフォイのイメージがかぶっているせいもあるような・・・。それはそれで制作側にはお得感がありますが、こういう役ばかりやってると他の役が難しくなるんじゃないかとも。
(2011.10.15記)
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