◆たぶん週1エッセイ◆
映画「シークレット」
刑事が殺人現場で妻の痕跡を見つけ証拠隠滅して妻をかばうという設定の韓流ミステリー映画「シークレット」を見てきました。
封切り3週目土曜日、午前中の上映とはいえ、現時点で全国2館、東京では唯一の上映館のシネマスクエアとうきゅうは1割くらいの入り。他人ごとながら大丈夫かと考えてしまいます。
犯罪組織のナンバー2チョ・ドンチョルが殺害され、現場に駆けつけたキム・ソンヨル刑事(チャ・スンウォン)は、当日妻がつけていたのと同じ口紅の付いたワイングラス、ボタン、イヤリングを犯行現場で発見し、それらの証拠を隠滅し、さらには現場で若い女を見たという目撃者パク・キョンホに口止めして逃がしてしまう。帰宅した妻ジヨン(ソン・ユナ)は、ソンヨルからどこにいたのかを聞かれてもはっきりと答えず、あなたにそんなことを聞く資格はないと突っぱね、妻の知人と不倫してその帰りに飲酒運転をして交通事故に遭い娘を死なせてしまった負い目を持つソンヨルは強い態度を取れないでいた。被害者の兄で犯罪組織のトップのジャッカル(リュ・スンニョン)が犯人を必ず見つけて生皮を剥ぐと宣言して動き出し、警察は被害者と事件前に会っていたソクチュン(キム・イングォン)を逮捕するが、ソクチュンは否認し、ジャッカルも殺害方法がソクチュンのようなプロの手口ではないとソンヨルに詰め寄った。かつてソンヨルの証言で停職になり復帰したばかりのチェ刑事(パク・ウォンサン)と、ジャッカルは、それぞれにソンヨルの行動を怪しみ、ソンヨルの妻の犯行との疑いを強めていく。ソンヨルは偽造パスポートを作って妻を高飛びさせようとするが、妻は言うことを聞かずジャッカルに捕まり・・・というお話。
基本線は、殺人犯と疑われる妻を何とか逃がそうとするソンヨルと、それを追う警察(チェ刑事)と犯罪組織の攻防のストーリーで展開するアクションサスペンスです。ちょっと人間関係が錯綜してわかりにくい感じがします(というか私が韓国人俳優の顔の見分けが付いてないだけかも)し、この状況で犯罪組織が引かないでしょとかつくり過ぎと思う場面も少なからずありますが、展開としてはそこそこつくり込んだ感じです。
しかし、映画としての見どころは、そのアクション系の展開に不安定要素としてプラスされている妻の夫への恨みの影響の方にあるように思えます。それだけに、ひと山ふた山あった後でその恨みを引きずりながらというかあれだけ恨みを見せつけた上で、最終的に何事もなかったかのように復縁する(ように見せかけている?)2人の姿に、男女の仲の不思議と言うか、げに恐ろしきは・・・を見る気がしました。
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