◆たぶん週1エッセイ◆
映画「シャカリキ!」
自転車ロードレースに青春を賭ける高校生たちのスポーツ根性物「シャカリキ!」を見てきました。原作は往年のヒットコミックスだそうですが、私は全然読んでいません。
宣伝ぶりと内容からして200名規模のスクリーンの映画と思いますが、588席の新宿ミラノ2では、封切り2週目平日夜ですが、1割も入っていない惨状でした。
名門だが、エース指名に不満を持ったナンバー1選手ユタこと由多比呂彦(鈴木裕樹)が転校し有力選手がそれに追随したために凋落し、インターハイ出場さえ危うくなった亀が丘高校自転車部に、子どもの頃から自転車で坂を登るのが好きな「坂バカ」野々村輝(遠藤雄弥)が入学、亀が丘高校自転車部のエース鳩村大輔(中村優一)らとぶつかりながら、ユタの加入により抜群の強豪となった鳳帝高校の打倒を目指すというストーリーのスポーツ根性物です。
自分がユタに勝つことしか考えないテルのおかげで、亀が丘高校はインターハイで失格、自転車部は廃部と、散々の序盤から、もう一度ユタと戦いたいというテルと他の部員やマネージャー、監督らが再起を誓い、特訓とチームワークで戦うことを学んでいきます。見せ場は最後の「石渡山ロードレース」。ここで、アシストを申し出る鳳帝高のメンバーに、アシストは要らない、これはオレのレースだと言って最初から先頭をぶっちぎるユタと、5人が一体となって献身的に風よけとなってレースを進める亀が丘高校自転車部という展開になります。
見終わっての一番の感想は、スポーツ根性物は得だなということ。序盤から若いタレントのぎこちない台詞、不自然な間が続いても、最後のロードレースの展開1本で感動を与えられる、これぞスポーツ根性物の強みというしかありません。国内で負け知らずの敵役ユタに個人の力では勝てない亀が丘高校自転車部がチームワークで闘いを挑むという展開から、スポーツ根性物なら結果は予測されますが、それでも1人1人がそれぞれの個性を生かしてチームのために献身的に闘う姿はやはり打たれます。ラストには、自分のことしか考えなかったテルもチームのために闘う姿が描かれ、単純ではありますが、素直に感動してしまいました。
でも、亀が丘高校自転車部の特訓、しばらくは自転車に乗らずに相撲をやらせたりエアロビクスをやらせたり、スポーツ根性物には実はよくあるパターンですが、半年先に試合があるならともかく試合まで1ヵ月の設定でそんなのあり?
冒頭と中盤でテルの子ども時代の自転車特訓の映像で自転車が空中に舞いあがるシーンは、おいおいE.T.かよと思いますし・・・
自転車ロードレースのルールは知りませんが、自転車を担いで走ったり、仲間がサドルを押したりして失格にならないんでしょうか・・・
いろいろ疑問を感じますし、前半は役者の演技とかしっくりきませんが、最後のロードレースで気分盛り上げてスッキリできますので、後味はいいと思います。
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