◆たぶん週1エッセイ◆
映画「スター・ウォーズ フォースの覚醒」
年老いたハリソン・フォードのどこか時代劇っぽい親子の対峙場面に、ホロリとさせられる
軽々しく何度もマスクを外すレンには、さもしさを感じる
スター・ウォーズエピソード7「ルークを探せ!」、いやディズニーが仕掛けるさらなるキャラクター商法の新展開、いや…映画「スター・ウォーズ フォースの覚醒」を見てきました。
封切り2週目日曜日、新宿ピカデリースクリーン1(580席)午前10時50分の上映は8〜9割の入り。
公開初週末、全米・世界とも週末興行成績の歴代新記録を挙げ、全米では公開17日間でもう累計歴代興収で第2位に付ける(公開20日あたりで歴代1位の「アバター」を超えることがすでにほぼ確実)圧倒的大ヒットを記録しながら、日本では公開初週末から2週続けて週末興行成績(動員数)で「妖怪ウォッチ」に敗北を喫したスター・ウォーズ。アメリカ通商代表部(USTR)から「日本市場の特異性」「非関税障壁」を指摘されるかも (^^ゞ。昨年の年末年始の「ベイマックス」同様、3週目には「妖怪ウォッチ」を逆転しましたが、「エピソード1 ファントムメナス」(スターウォーズ史上最高。日本では歴代16位)に及ぶかどうかは微妙な推移です。
でも、私の印象では、過去のシリーズの蓄積があって、それぞれのキャラやこれまでの経緯に愛着があるということで、好評価を得ているものの、娯楽作品としての面白さで言えば、今年の作品では、ワイルド・スピードSKYMISSIONやミッション:インポッシブルローグネイションよりよかったかと言えるか疑問です。
「ジェダイの帰還(エピソード6:公開当時の邦題はジェダイの復讐)」から30年後、銀河帝国の残党は指導者スノーク(アンディ・サーキス)に率いられる新たな組織「ファースト・オーダー」を結成し、ハン・ソロ(ハリソン・フォード)とレイア(キャリー・フィッシャー)の息子ベンが改称したカイロ・レン(アダム・ドライバー)が指揮するストーム・トルーパーの一団が、惑星ジャクーの村を総攻撃してきた。姿を消した伝説の/最後のジェダイ、ルーク・スカイウォーカーの所在を示す地図を託されたレジスタンスの兵士ポー・ダメロン(オスカー・アイザック)は、レンの攻撃の直前に地図をドロイドのBB8に隠すが、レンの部隊に捕まった。かつてその村から拉致された兵士FN2187改めフィン(ジョン・ボイエガ)は、皆殺しを指示するレンに反感を持ち、ポーとともに宇宙船を奪って逃走するが、惑星ジャクーに不時着した際にポーを見失う。ポーから遠くに逃げるよう指示されたBB8は、砂漠を越えた別の集落で、家族の帰りを待ちながら孤独に廃品回収で糊口をしのぐ少女レイ(デイジー・リドリー)に拾われる。BB8が襲われるところを見たフィンはレイの手を取り逃走しながらさらにやってきたファースト・オーダーのトルーパーたちと闘い、村はずれにおかれていた骨董品の宇宙船ミレニアム・ファルコンに乗り込み、宇宙へと逃走する。そのファルコンには、宇宙の密輸商ハン・ソロと副操縦士チューバッカ(ピーター・メイヒュー)が乗っていて…というお話。
ストーリーは、ルークが姿を消した銀河で、レイアが率いるレジスタンスサイドと、スノーク率いるファースト・オーダーが争いながら、ともにルークの行方を追いそのために「スカイウォーカーの地図」を争奪しているという設定の下、新ヒロインレイと脱走兵フィン、レジスタンス兵士ポーらと、ファースト・オーダーの指揮官レンが闘いを繰り広げるという展開です。
ずっと登場しない、ルーク・スカイウォーカーをめぐり、後進の育成を試み、そのためにハン・ソロとレイアから息子のレンを預けられたものの失敗して引退・失踪したという経緯が語られます。
エピソード6までが、ルークとダース・ベイダーことアナキン・スカイウオーカーの父子・愛憎劇で展開したのを、エピソード7では、ハン・ソロ、レイアとその子レンの関係で踏襲していますが、序盤で早々にレンがハン・ソロの息子であることが明かされ、ハン・ソロとレンの関係はエピソード7で決着されてしまい、新3部作全体をこの親子関係で描くつもりはないようです。
そうなると、身元の明かされない新ヒロインレイの出自がエピソード8で示されて、そちらの家族関係が今後テーマになるという展開が予想されます。
物語としては、年老いたハリソン・フォードの活躍と父親像が印象に残ります。どこか時代劇っぽい親子の対峙場面に、父親世代としては、ホロリとさせられ、切ない気持ちを持ちました。
レイのフォースの潜在能力を示す、見張りのトルーパーに拘束を解かせるシーン。レイに操られるトルーパーがダニエル・クレイグだそうな。一度も顔を見せないので確認できるシーンはないのですが、そういうところは何か余裕を感じさせます。対照的に、軽々しく何度もマスクを外すレンは、前任者(ダース・ベイダー)との比較もされがちな役柄なのに、イケメン若手俳優なんだからよく顔見てねみたいなさもしさを感じさせます。
ファースト・オーダーの最高指揮者が日本語字幕では「スノーク」。えっ、それ「ムーミン」の恋人の「スノークのお嬢さん」のスノーク?って連想してしまいました。英語表示では、スター・ウォーズエピソード7のスノークは " Snoke " 、ムーミンの方は " Snork " で違うのですが…
ラストシーンは、いかにも次回につなげます、ってことですが、新3部作って謳ってあるんだし、あえてやらなくてもよかったんじゃないかと思います。フード付きのパーカーの後ろ姿なんて、まるでシスのイメージですし…
(2015.12.27記、12.28、12.31、2016.1.4追記)
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