◆たぶん週1エッセイ◆
多田謡子反権力人権賞2006
多田謡子反権力人権基金のHPができました(2006.3.10)。こちらもどうぞ。
昨年もお知らせしましたように、私は、多田謡子反権力人権基金の運営委員、この基金が運営している多田謡子反権力人権賞の選考委員をしています(詳しくはこちら)。
今年の運営委員会の第1回が9月14日開かれ、改めて基金の残額が1年分程度しかないことが確認されました。今年の受賞式には、過去の受賞者の方にご案内を出し、(交通費は出せませんが)できればご出席いただいて、賞の今後の運営についてのご意見を聞こうということになりました。10月24日の第2回会合、11月6日の第3回会合でも、雰囲気としては今回で終了かなという方向でした。
いずれにしても、今年は行うことが確定しました。
11月6日の第3回会合で、受賞者の選考が終わり、本年度は、石川一雄さん(狭山事件当該)、救援連絡センター(公安事件の弁護支援活動)、根津公子さん(現在鶴川2中教諭、日の丸・君が代強制反対)の3者を選出しました。
今年の受賞発表会は12月16日午後2時から総評会館(お茶の水)201号室で行われました。私は、今年は受賞発表会の司会をさせていただきました。今回の受賞講演は、例年にもまして参加者から、よいお話だったと評価されていました。
私自身、各受賞者に思い入れがありました。石川さんには、私は1960年生まれの大阪生まれで高校まで大阪にいましたが、私が義務教育を受けていた30数年前の大阪では、道徳の時間は部落差別や在日朝鮮人差別、原爆の問題を学ぶ時間で、私は小学生の時授業で先生から「石川さんは無実だ」と教わりました、小学校だったか中学校だったかはっきり覚えていませんが、授業時間中に体育館に集められて「狭山の黒い雨」を見た覚えもあります、そういう教育を受けた者としては、それから30数年がたつのにいまだに裁判所が石川さんの無罪を認めていないことには忸怩たる思いがありますし、そんなに長い期間闘い続けてきた石川さんには敬服していますと、紹介させていただきました。根津さんには、昨日、教育基本法改悪が成立してしまい、とんでもないタイミングで根津さんのお話を聞くことになりましたが、むしろこの時期にいいお話を聞かせていただいて元気をもらえるとよいと思います、先程私の昔の話をしましたが、生徒は教師の姿勢を覚えているものです、その意味でも根津さんに期待していますと、紹介させていただきました。救援連絡センターには、私たち弁護士は、弁護士みんなではありませんが、弁護士になりたての頃お世話になったというかこき使われた想い出があります、たぶん、この賞では初めてと思いますが東弁人権賞とダブル受賞となってしまったことには忸怩たる思いがあります、これまではこちらが先に見つけて東弁が付いて来るということが多かったのですが、今年は追いつかれてしまいました、何度も候補になっていたのですしもっと早く受賞してもらえばよかったと思いますと、紹介させていただきました。
懇親会では、やはり続けて欲しい、資金はなんとかなるはずだという意見が続出しました。来年どうなるか、続けるのかやめるのかはまだ未定ですが、運営委員で話し合って決まったらまたお知らせします。
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