◆たぶん週1エッセイ◆
多田謡子反権力人権賞2009
今年も多田謡子反権力人権賞の季節がやってきました。
ここのところ毎年お知らせしていますが、私は、多田謡子反権力人権基金の運営委員、この基金が運営している多田謡子反権力人権賞の選考委員をしています(詳しくはこちら)。
今年は11月12日の運営委員会で、受賞者の選考が終わり、本年度は、移住労働者と連帯する全国ネットワーク(移住労働者・移住外国人の権利確立運動)、辻井義春さん(国労バッジを着用し続ける闘い)、上関原発を建てさせない祝島島民の会(上関原発反対運動)の3者を選出しました。
基金の減少のため、当初は30万円だった副賞を10万円とし、それでも存続が危うくなっていましたが、存続を願う人々から暖かいカンパをいただいて当分存続できる状態となりました。今年さらに大口のカンパをいただき、とりあえず今年から3年間、副賞を20万円に増額することになりました。
今年の受賞発表会は12月12日(土)午後2時から総評会館(お茶の水)201号室で行われました。
移住労働者と連帯する全国ネットワークからは、大津恵子さんからパワーポイントを用いて組織と活動の報告があった後、主として外国人女性の人身売買とその緊急避難所としてのHELPの活動についてお話がありました。外国人女性に売春等を強いる者たちが放置され保護された女性がオーバーステイを理由に犯罪者扱いされて強制送還されてきたこと、とりわけ幼い子どもと引き離されて強制送還されてきたことについては、聞いていて胸が痛みました。辻井義春さんからは、縦1.1cm、横1.3cmの国労バッジを付けているというだけで減給処分や停職処分を繰り返し、地労委で処分が不当労働行為だということで救済命令が出た後もそれを無視して処分を行うJR東日本の横暴ぶりについて報告がありました。上関原発を建てさせない祝島島民の会からは、祝島島民の漁場でカンムリウミスズメ(天然記念物)等の希少生物が生息する海の埋め立てを強行しようとする中国電力とそれを阻止する漁民たちの闘いのビデオが放映された後、代表運営委員の山戸貞夫さんから地元主体の長期にわたる運動の状況の報告がありました。中国電力の切り崩しにもかかわらず島民の9割が反対派で、毎週1回、これまでに1000回以上も続けられてきた島内デモで島民の結束と情報交換を図っているというお話は、励みになりました。
受賞発表会後の交流パーティーでは、シンガーソングライターのHAOWさんの歌と踊りも披露され、にぎにぎしくお話の輪が拡がっていました。
候補者の推薦や発表会・パーティーに参加していただいているみなさん、また来年もよろしくお願いします。